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晩年の父 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | 内容:晩年の父.思出.母から聞いた話 |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 1981/09/01 |
JAN | 9784003109816 |
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商品レビュー
3.6
8件のお客様レビュー
厳しい陸軍軍医総監でもなく文豪でもなく、どの家庭にもいる子供に甘い父親そのもの。 日露戦争時、奥様を思い書いた詩を読むとこの人小説家より絶対詩人の方が適性だよ という感じるくらいど素人の私が読んでも素晴らしい詩。 人の容貌は冗談でも揶揄っていけないという教育方針は素晴らしい
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つくづく森鴎外はスーパーマンだと思う。 陸軍軍医として陸軍軍医総監という頂点に登る傍ら、文学者として翻訳、創作、評論、歴史研究などでも文豪と称えられ、家庭人としては特に晩年は幼い杏奴と類の父親として「パッパ」と呼ばれ、最高の偽りない情愛を示し、また示された。夫婦仲も良かった。家...
つくづく森鴎外はスーパーマンだと思う。 陸軍軍医として陸軍軍医総監という頂点に登る傍ら、文学者として翻訳、創作、評論、歴史研究などでも文豪と称えられ、家庭人としては特に晩年は幼い杏奴と類の父親として「パッパ」と呼ばれ、最高の偽りない情愛を示し、また示された。夫婦仲も良かった。家庭人の資質はそもそも比べようがないが、何れも日本トップの位置にいたスーパーマンだった。 そんなことがあるのか?あるのである。陸軍総監は実際に見聞きしていないから一般的評価でしか無いが、文学は少なくとも幾つかの作品を読んで個人的に確信している。そして今回、実の娘の杏奴(あんぬ)から、幾つも幾つもその証拠を見せられた。話は聞いていたけど、こんなにも細やかに子どもを可愛がっていたのか!個人的に確信した。 今年は鴎外没後100年。 加藤周一は晩年最後の仕事として「鴎外・茂吉・杢太郎」の評論を「完成」させたかったが叶わなかった。その想いを確かめたくて、今年は鴎外を読もうとしていたのだけど、遂に叶わなかった。高い峰だと思えば思うほど、手をつけられなくなる。これは脳の作用なのだと最近学んだばかりだ。近いうちにブレイクスルーしたい。 幾つか覚書 ・小石川の植物園、目黒の植物園、上野の博物館、動物園など、よく連れて行かれた。小石川の植物園では父はいつも四阿(あずまや)に腰掛けて本を読んでいる。私たちは夢のような美しい芝生を思うさま駆け回って遊ぶのであった。少し遅れて母が重箱にお握りや煮しめを入れて、麦湯を入れた瓶などを持って来てくれた。(58p) ←博物館は鴎外の仕事場だった。子育てを全然妻任せにしていない。土筆とりなどをさせて遊ばせている。上野広小路の煎餅やで子供の顔より大きい瓦煎餅を買ってあげたり、家に帰る途中いつもクリームパンやジャムパンを四つか五つ包んで持ってきてくれたそうだ。 ・「亡父が、独逸留学生時代の恋人を、生涯、どうしても忘れ去ることの出来ないほど、深く、愛していた」(195p) というのが杏奴の見立てである。 「死期の迫った一日、父が、母に命じて、独逸時代の恋人の写真や、手紙類を持ってこさせ、眼前で焼却させたと、母が語ってくれた」(同) というのが、その根拠。所謂「舞姫」の彼女のことである。娘の考察はかなりロマンチックな想像に傾いている気はする。朝日まかて「類」を読む限り、杏奴はかなり賢い女性なのだが、大好きな父親に対して少女っぽい想像を晩年まで抱える面もあるようだ。私は鴎外の舞姫判断は、そんな単純なものではないと思っている。 ・父は何時も自分と同じ気持ちになっていてくれたような気がする。 私が犬を可愛がれば一緒になって可愛がってくれる。 蚕を飼う事に夢中になれば、父も一大事のようにして蚕のことに一生懸命になってくれる。どんなに詰まらないお伽噺を長々と話して聞かせても、心から喜んで微笑みを浮かべながらそれを聞いてくれる。 これは父が子供を愛するあまり、子供と同じ気持ちになると言うばかりではなかったらしい。父は母に向かって、 「お前はもっと子供の話を一生懸命に聞いてやらなくてはいけない。大きくなるほど子供は親に何でも話せるようにしておかないと、思い掛けない間違がおこるものだ」 と言っていたそうだ。(129p) ←珍しい鴎外の教育論であるが、論じることと実践できることは同じではない。特にこんな文章を読むと、鴎外にいつそんな時間があったのだろう、と私は不思議に思う。
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鷗外の子供たちは皆鷗外の思い出を書いているが、やはり女の子の方が敬愛の情を直接的に出しているように思われる。 著者が14のときが父鷗外との別れ。家庭での鷗外が本当に子ども思いであったことは、子どもや周囲の人々の追想からも窺われるが、14という年は本当に父の愛情を素直に受け止...
鷗外の子供たちは皆鷗外の思い出を書いているが、やはり女の子の方が敬愛の情を直接的に出しているように思われる。 著者が14のときが父鷗外との別れ。家庭での鷗外が本当に子ども思いであったことは、子どもや周囲の人々の追想からも窺われるが、14という年は本当に父の愛情を素直に受け止めることの出来るときだったのだろうなあと、著者の文章を読んで実感した。 パッパとアンヌコの気持ちのやり取りが美しい。 「母から聞いた話」では、娘から見た両親の関係が描かれる。あまりに母思いであった鷗外であったため、お金の管理もできないなど同居の姑との関係に悩んだシゲ。母が幸せであった時期は短かったと娘は言うが、どうだったのだろう。こればかりは他人からは窺い知れない。 いくら小さい頃に死別し理想化される面はあるにせよ、こんなに愛情を持って思い出される鷗外はやっぱりスゴい。
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