ゆれる

西川美和【著】

• 販売会社／発売会社: ポプラ社/ポプラ社
• 発売年月日: 2006/06/15
• JAN: 9784591093030

商品レビュー

2024/03/02

小説家という人たちは自分でも分からないあの時のモヤモヤとしたものを鮮やかに言葉に変えてくれるのですね。

2024/02/12

お盆最終日。結局何処へも行かず…。

ってな事で西川美和の『ゆれる』

田舎に残って実家のガソリンスタンドを継いで真面目に働く兄の早川稔、その対極で家出する様に東京へでてカメラマンになった弟の早川猛。

亡くなった母親の法事に数年ぶりに帰ってきた猛、父親とは相変わらず反りが合わず喧嘩腰…。

ガソリンスタンドには幼馴染みの智恵子が数年前から働いていた。

丁度仕事が休みになったので稔は猛と智恵子を誘って昔よく行った蓮美渓谷へ。

そこにある吊り橋で智恵子が落ちて亡くなってしまった。

その時一緒に居たのは稔だが…。

裁判沙汰になり兄を助けようと猛が手助けする兄弟愛の筈がどこからか食い違って憎悪へ。

それは、今に始まった事じゃなかった…。

この前映画の方を見てからの小説へ。

元々、映画の方が先で小説の方が後から出されったて嫁さんも言ってたから、この両作は映画→小説と流れる方がオススメかなっとw

いくつかは推測出来てた内容もあったけど、映画では表現出来なかった？

それぞれの隠された言動の意味、真相、アナザーヒストリーが出てきて更に心を『ゆらす』感情を湧き立てるw

これ読むともう1回映画を観たくなる事間違いなし！

映画のラストシーンの香川照之の表情が強烈に印象付ける演技力！

2015年46冊目

2023/03/10

僅か２２０ページ
息苦しいくらい濃密な内容だった。

映画監督の西川美和が自ら書いた作品だが、まず映画ありきなんだと全ての文章から感じられる。
２００６年の作品をなぜか今読みたくなった。
当然読んでる間は頭の中で映像が流れ、兄「香川照之」弟「オダギリ　ジョー」がこれ以上ないキャスティングで存在する。

兄弟という一番身近なライバル
愛情と同じくらいの妬みと憎しみ
この関係を壊したい気持ちと壊すことへの恐怖
ラスト数ページで涙が込み上げました。

映画「ゆれる」もう一度観たくなりました。