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世界共和国へ 資本=ネーション=国家を超えて 岩波新書
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世界共和国へ 資本=ネーション=国家を超えて 岩波新書

柄谷行人【著】

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世界共和国へ 資本=ネーション=国家を超えて 岩波新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/岩波書店
発売年月日 2006/04/20
JAN 9784004310013

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2026/08/09

柄谷は現在を 「資本=ネーション=国家」が バランスしていると捉える。 それを超えて「世界共和国」へ 至る道筋を考える一冊。 グローバルな「資本」主義的世界経済は 必ず「経済的格差」と「対立」に帰結する。 「ネーション」(国民)は 「共同性」と「平等性」を志向して、 資本性が...

柄谷は現在を 「資本=ネーション=国家」が バランスしていると捉える。 それを超えて「世界共和国」へ 至る道筋を考える一冊。 グローバルな「資本」主義的世界経済は 必ず「経済的格差」と「対立」に帰結する。 「ネーション」(国民)は 「共同性」と「平等性」を志向して、 資本性がもたらす格差を 解決するように要求する。 「国家」は、さまざまな「規制」や 「税の再配分」によって その共同性と平等性を実現しようとする。 この三者が危ういバランスで 成り立っているのが 現代社会だと、柄谷は説く。 そして、この 「資本=ネーション=国家」を超えて 「世界共和国」へ至る道筋を見つけるために 考察を重ねたのが、この本である。 柄谷は 国家社会主義やリバタリアン社会主義の衰退を 歴史的事実として受け止め、 マルクスから始まる 社会主義的な思考の失敗を踏まえつつ、 新たな道を模索する。 そのために資本、ネーション、国家が それぞれ簡単には否定できない根拠を明らかにしつつ、 それらを止揚する道を探っていく。 ただ本書はその解決策を明快に詳細に 指摘したものとして読むと期待を裏切られる。 むしろ、資本、ネーション、国家が どうやってできあがってきたかを 歴史的、思索的に考察し、明らかにすることに 主眼が注がれている。 そのためにマルクスを参照する。 つまりはある程度の欠落を認めつつも 「史的唯物論」に依拠するということだ。 柄谷はマルクスの 「生産様式」という考え方を 「交換様式」と読み替え、 新たに歴史を読み直していく。 交換様式として、柄谷は A 互酬(贈与と返礼) B 再分配(略奪と再分配) C 商品交換(貨幣と商品) D X という4つを置く。 DのXはいまだ実現されていないが、 そこにあるべきものである。 そして、これらに対応する 資本制社会構成体として A ネーション B 国家 C 資本 D アソシエーション を置く。 アソシエーションは これも想像的なものである。 社会主義ではなく、 しかし、ABCを止揚する何か 仮想の共同体的なものである。 そして、歴史的・思索的分析を重ねる。 「国家」は共同体と共同体の間に発生する。 そして、その「国家」の変遷、世界ををこう見る。 「中央集権」的な「帝国」が西アジアと東アジアに成立。 その亜周辺では、中核の文明や制度を受け入れつつ、 集権的原理は受け入れなかったため、 「封建制」が発達した。 そして、亜周辺である西ヨーロッパで 集権的な国家をもてなかった「封建制」のはざまから 共同体や国家を超えて通用する 「貨幣」が拡大し、「都市」を育み、 教皇勢力と結びつき、 中央集権的国家へと成長し、 封建制を崩壊させ、常備軍と官僚機構を備えた、 均質な「絶対主義国家」が生まれた。 このときに商品交換=貨幣経済の原理が 国家によって承認されたのだという。 ここで「国家」と「資本」は結びつき、 封建制の崩壊によって、均質な市民=国民という概念が 初めて生まれて、「ネーション」も誕生する。 また、柄谷は宗教についても 市場経済の上で互酬的な共同体を回復させようとするものとして、 普遍宗教(世界宗教)について位置付ける。 ニーチェは 「世界帝国への進行はつねにまた世界神への進行である」 と言う。 普遍宗教は、 最初に述べた「アソシエーション」を 志向するものである。 そして、「絶対主義国家」は他の「絶対主義国家」を求め、 「資本」の要求により「世界市場」を創造し、 そこから「世界経済」と「世界帝国」が生まれていく。 さまざまな角度からの詳細な分析があり、 現在の世界は 「資本=ネーション=国家」として 位置付けられる。 そこには人間と自然を阻害する問題がある。 この問題を解決するために、 柄谷は「世界共和国」への道筋を掲げる。 それは簡潔に言うと、 カントが唱えた「世界連合」という思想の実現だ。 それは「国際連合」のような形を示唆する。 しかし、この方向性の未来は、 現在のアメリカの状況を見ると、 明るいとは言えないように思える。 各国家が自ら権力の一部を渡した 世界規模の共和国。 現在の歴史は、そこから 遠のいるように思えるからだ。 その結論はともかく。 「資本=ネーション=国家」 についての分析は、 何度も読み込む必要を感じるが、 現在を捉える視座に加えたい思考だ。

Posted by ブクログ

2023/04/28

柄谷氏の「世界史の構造」(岩波現代文庫)を読んで感銘を受けたので、続けて本書を購入しました。私は「トランスクリティーク」はまだ読んでいないので、そことの比較はできませんが、本書は「世界史の構造」の理解を深めるためにはちょうどよかったと思います。世界史の構造を交換様式から分析すると...

柄谷氏の「世界史の構造」(岩波現代文庫)を読んで感銘を受けたので、続けて本書を購入しました。私は「トランスクリティーク」はまだ読んでいないので、そことの比較はできませんが、本書は「世界史の構造」の理解を深めるためにはちょうどよかったと思います。世界史の構造を交換様式から分析するということで、様式AからDまでがあるわけですが、そこの用語は「世界史の構造」から少し変更が加えられていました。個人的には本書の用語の方がしっくりきます。また「世界史の構造」ではよくわかっていなかった点についても本書でだいぶ捕捉された感じがします。よってこれは人それぞれかもしれませんが、難易度が一番低い本書から読んで、そこから「世界史の構造」に進んでもOKですし、「世界史の構造」から読んで、それをさらに補足するために本書を読んでも大丈夫とは思いました。非常に多くの示唆が含まれていると思います。おすすめです。

Posted by ブクログ

2022/08/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

商品交換という交換様式が強くなりすぎた時代に、どのようにして互酬原理や再配分原理を取り戻せば良いか。これまで、革命家たちは国家権力を握って産業資本主義的な経済を廃止することや、国家をアソシエーションに置き換えることを試みてきたが、いずれも上手くいかなかった。国家が内側から出てくるものではなく、外部に対してできあがるものだということを忘れてはいけない。筆者は、諸国が主権、とくに軍事力を譲渡するほかないと考えている。

Posted by ブクログ

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