MORI LOG ACADEMY(3) 日のないところに書け無理絶えず ダ・ヴィンチブックス

森博嗣【著】

• 内容紹介: 作家・森博嗣のブログ日記文庫化第3弾。06年4月～6月の日常の記録。年末に急に入った書き下ろし長編『カクレカラクリ』も脱稿間近のある日、森博嗣にとって、過去3年くらいを振り返っても最高に幸せだと感じた日が訪れた。いったい何があったのか？――挑発的提案多数、国語、算数、理科、社会のトリビア的雑学もますます快調！特別講師として、ある作家が学科の授業を5日間だけ担当。装画はもちろん羽海野チカ。
• 販売会社／発売会社: メディアファクトリー/メディアファクトリー
• 発売年月日: 2006/09/21
• JAN: 9784840117135

商品レビュー

2013/10/08

モリログ第3段（変則読み） 数奇にして清涼院先生。自由度が高すぎて、ついに共著に。 時期としては、少し変わった子あります、もえない、ZOKUDAMあたりの執筆時期。今回は鉄道回でもあった。野尻先生とお知り合いだったとは。オープンディがいい雰囲気。 日記パートは、相変わらずのパスカル日記。わりと成長した感じを受けるけど、好奇心は旺盛ではない様子。 今後のモリログで、どう展開するのか。あと、存在を知るもう一匹のデビューも気になる。 「この先は知らないところです。さあ、もう引き返しましょう」

2013/07/30

『どんな人にもチャンスはある。幸運を掴むことは可能である。しかし、空を見上げているだけで降ってくるものでもない。「宝くじを買わないと宝くじは当たらない」なんて言葉をよく耳にするが、宝くじで幸運を掴むのは、宝くじを売っている人たちである。宝くじを買うことは、空を見上げているだけなのとほとんど変わらない。』

『努力をしろ、という意味のことを書いているのではない。努力なんてしたくなければしなければ良いし、しないで済むのなら、それにこしたことはない。とにかく、自分が一番良いと信じることをすれば良いだろう。これは数少ない真理だ。そして、自分が選んだとおりに既になっている。
たとえばダイエットにたとえるなら、食べたいものを食べるか、それを我慢して痩せたいか、の選択であって、いずれにも自分が欲しいものが得られる。美味しいものも、痩せることも、両方とも欲しいと思えば、またそれなりに方法があるだろう。そのかわり、お金が必要だったりして、やはり交換になる。あるいは、今の自分を「もう痩せている」と思い込むことができれば、なにもしないでも良い。どんな状況下においても、幸せだと思えればそれで良い、というのと同じである。』

『安いからといって、そこそこのものばかり集めていると、身の回りがそこそこで囲まれ、その人の人生は死ぬまでそこそこのままだろう。悪くはない。そこそこが好きだという人もそこそこいる。』

『おそらく、どちらの方式であっても、問題は、そこに愛情があるかないか、だと思われるし、また、どんな育て方をされても、子供も犬も、親の愛情の有無を確実に見抜く。だから、育て方の形式で、人間や犬の本質はそんなに影響を受けないようにも思われる。いずれにしても、ケースバイケースだろう。』

『彼らの作品や言葉の一つ一つに価値が見出せる。すると、自然に頭が下がる。この人がいてくれて良かった。もっとこの人と一緒にいたい、と素直に思う。「尊敬」とは、「尊敬しなさい」と言われてできるものでもない。』

『あんな遠くまで自分は行けるのか、と思うような遠くの景色も、一歩ずつ左右の足を前に出しているうちに、確実に近づいてくる。大きくジャンプを繰り返すよりも、歩く方がはるかに楽なのだ。』

『子育てによって、親がどれだけ学べるか、親がどれだけ成長するのか、ということを言いたかっただけだ。学べるのだから、学べば得だ、というだけのことでしかない。ー 子供を育てようとするあまり、自分の成長を忘れている。それは、教育の半分を放棄している姿であって、子供もそれを見抜く。ともに成長する仲間ではない、と感じるのだ。』

『子供には基本を教えるべきだ、という声も聞く。僕は、子供には最先端のものをまず与えるべきだと感じる。人間の学び方は、その順の方が自然だから。』

『飛行機の形の素晴らしさは人間の自由な発想そのもので、そうした人間の発想力は空を飛ぶのにも等しい能力である。』

2011/04/13

MLA第三弾。
読みながら貼った付箋の数が半端じゃない…。

「子供がどう育つかなんて、はっきりいって他人事である。多目に見ても、子育ての50％の範囲。学校の先生も同じで、子供を育てようとするあまり、自分の成長を忘れている。それは、教育の半分を放棄している姿であって、子供もそれを見抜く。ともに成長する仲間ではない、と感じるのだ」

ええ、身にしみます。