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語られざる特攻基地・串良 生還した「特攻」隊員の告白 文春文庫
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語られざる特攻基地・串良 生還した「特攻」隊員の告白 文春文庫

桑原敬一【著】

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語られざる特攻基地・串良 生還した「特攻」隊員の告白 文春文庫

定価 ¥754

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋/文藝春秋
発売年月日 2006/08/02
JAN 9784167717025

語られざる特攻基地・串良

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商品レビュー

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2016/12/15
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2006年(底本1984年)刊。 著者は串良基地(現鹿児島県鹿屋市在)から特攻出撃し、不時着生還した生存者。本書は著者及びその畏友の自叙伝的体験録。  そもそも本書のはしがきに「元搭乗員向けに、著者の体験談の披瀝に対し、聴衆からの厳しい反応のみならず、発言の訂正すら求められた」経験を持つとあった。これは、本書が軍・軍人のタブーや痛いところを突いた書を意味している、と考えて紐解いた。  本書の特徴は、容易に知り得ない様々な体験的事実を開陳する点。  例えば ① 著者所属の練習航空隊(著者は未だ訓練時代だった)における特攻機搭乗者の選抜の実。航空機を飛ばせる力のない者まで送り込んだこと。 ② 出撃する特攻機は練習機や旧型機が多く含まれ、また、修理・補修もままならぬため、故障機・不時着機が続出した点。これは野坂昭如の小説等からも知られてきたことではある。 ③ 結果、沖縄方面軍海軍作戦では約43%の不時着・帰投機が存在した。  それにもまして、本書は「予定された死を目前にした」実践者の、恐怖を含む切々たる心情を開陳している。  余り他書には見ないこの心情を著者が開陳したのは、源田実に代表される特攻作戦立案者側への悲憤か。  著者は指摘する。特攻作戦への心情的反駁を唱える参謀に対し、源田は「捨て駒・捨て石」としての必要性を唄った。  しかも、参謀の、源田自身が特攻機に搭乗し、自ら完遂すべしとの具申に源田は全く答えないという体たらくだ。  その上で、著者は、源田の発言が本音を暴露した「捨て石的発想」と、特攻の実践者の心情とは余りに乖離したものと述べている。本書は著者のこの悲憤の発露と見得るのではないか。  なお、著者の友人(特攻機乗りではない)が参加していた沖縄攻撃隊の実も生々しい。  島を埋め尽くす無数の米軍艦艇。目を眩むばかりのサーチライトと弾幕の中で攻撃を敢行する。この死の恐怖を乗り越えて九死に一生を得て帰投しても、直ぐに再出撃がある。  生きて帰ることが次の死の準備でしかないという連鎖。終わることなき死への恐怖の連鎖は、特攻出撃を待つまでの死への恐怖に負けず劣らず、筆舌に尽くしがたいことが伝わってくる。

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2013/05/19

ローラ・インガルス・ワイルダーが作品、はじめの四年間で言った、車輪の下のハエは上にあがれないというのが真っ先に浮かんだ感想だった。 作者は知性が高いのに貧困のため上の学校へ行かれず、そのまま働き始めるを良しとせず予科練に入る。米国では今でも入隊すると学費をはじめ様々な補助が受けら...

ローラ・インガルス・ワイルダーが作品、はじめの四年間で言った、車輪の下のハエは上にあがれないというのが真っ先に浮かんだ感想だった。 作者は知性が高いのに貧困のため上の学校へ行かれず、そのまま働き始めるを良しとせず予科練に入る。米国では今でも入隊すると学費をはじめ様々な補助が受けられるのだが、当然有事には身体を張って戦いに行かなければならない。戦時中の予科練など恩恵どころでなかったと思うのだが・・・。 まるで今の警察機構のようにキャリア組と叩き上げに別れている軍隊で、熟練飛行士になるには時が足りないが、操縦を理解し実践できる知性と運動能力があったため、特攻隊に編入させられる(志願なんて今は誰も信じていないだろう)。叩き上げで優秀な者がキャリア組無能者の尻拭いをさせられるのは今の福島原発事故でも変わっていない。 戦後ですら散々叩かれてきて、それでも遠慮がちに彼は言う。なぜ貴様らが行かなかったのか、と。 上のハエが戦略、戦術上最も下策である特攻に自ら出ていれば、いつまでも無能な指導者を頂くことなく、無能な順に消えてくれればいつかはまともな頭も生えてきて、たとえ負け戦でもマトモな戦後処理になったことだろう。自ら陣頭指揮を取らない指導者を神のように敬う国民性が現在でも日本の行く末の大きな弊害になっているのは間違いない。

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2008/10/25

太平洋戦争で特攻出撃するも機体不良で帰還した著者が、死を宣言されたときの心境や、特攻隊の様子を緻密に描いたエッセイ。硬いが読みやすい文章で、整然と丁寧に綴られる内容は凄みあり。きれいごとを越えた率直な発言が素晴らしい。記載のエピソードをひとつ。昭和42年の戦友会で著者は「死ぬのは...

太平洋戦争で特攻出撃するも機体不良で帰還した著者が、死を宣言されたときの心境や、特攻隊の様子を緻密に描いたエッセイ。硬いが読みやすい文章で、整然と丁寧に綴られる内容は凄みあり。きれいごとを越えた率直な発言が素晴らしい。記載のエピソードをひとつ。昭和42年の戦友会で著者は「死ぬのは怖かった」と発言。周囲の同期生(特攻隊ではない)から、猛烈な罵声を浴びたという。戦後、何年もたっているのに。84年自費出版を06年に文庫化。

Posted by ブクログ