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按摩西遊記
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按摩西遊記

夫馬基彦【著】

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按摩西遊記

定価 ¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社/講談社
発売年月日 2006/06/12
JAN 9784062134477

按摩西遊記

¥220

商品レビュー

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2011/08/27

小生は、(そもそも小説の定義ができるような偉い人ではありませんが)小説とは「虚実ない交ざったものがたり」であると考えています。「実(じつ)」のみで編まれた、あるいは編まれているように見えるものがたりは、小説ではなく随筆やエッセイに、より近いかと。 その点から、本作は「虚」の部分...

小生は、(そもそも小説の定義ができるような偉い人ではありませんが)小説とは「虚実ない交ざったものがたり」であると考えています。「実(じつ)」のみで編まれた、あるいは編まれているように見えるものがたりは、小説ではなく随筆やエッセイに、より近いかと。 その点から、本作は「虚」の部分があまり感じられなかったのが(きっと、実際はあるのでしょうが)印象的で、小説としては残念な部分です。これは筆者の狙いであるかもしれませんが、途中から、エッセイとして情景描写や心理描写を読み始めていました。 さて、中身にフォーカスしてみますと。 本作は、4編からなりますが、どれも「実(じつ)」の部分が充実している分、描写にはリアルな空気を感じます。ベトナム戦争や9.11のニューヨーク、中国西域からシルクロードへ。それぞれの土地土地の描写が、そこに暮らす、大局的には「名も無き人たち」との交流を通じて、活き活きと書かれています。 「旅」と「時事」が好きな小生にとってはどれも興味深く、そして結局のところ歴史も、街も、思い出も、そこにいる「人々」が作っているんだな、と感じられます。表題作の「按摩西遊記」など、本当に按摩師を渡り歩きながらの西遊記で、その旅のスタイルが、結果とはいえまずもって面白いです。 残念だった部分としては、最初に書いたとおり小説としての「虚」を感じられなかったのと、幾つかの作品で時制の構成に分かり難さを感じました。 (2006年読了)

Posted by ブクログ