- 中古
- 書籍
- 文庫
十二世紀ルネサンス 講談社学術文庫1780
定価 ¥1,298
605円 定価より693円(53%)おトク
獲得ポイント5P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2006/09/10 |
JAN | 9784061597808 |
- 書籍
- 文庫
十二世紀ルネサンス
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
十二世紀ルネサンス
¥605
在庫なし
商品レビュー
4.5
7件のお客様レビュー
中世の真っ只中、閉ざされた一文化圏であったヨーロッパが、突如として「離陸」を開始する12世紀。東方からシチリアへ、イベリア半島へ、ギリシア・アラビアの学術がもたらされる。ユークリッド、プトレマイオス、アル=フワーリズミーなどが次々とラテン訳され、飛躍的に充実する西欧の知的基盤。先...
中世の真っ只中、閉ざされた一文化圏であったヨーロッパが、突如として「離陸」を開始する12世紀。東方からシチリアへ、イベリア半島へ、ギリシア・アラビアの学術がもたらされる。ユークリッド、プトレマイオス、アル=フワーリズミーなどが次々とラテン訳され、飛躍的に充実する西欧の知的基盤。先進的アラビアとの遭遇が生んだ一大転換期を読む。 アラビア世界から西欧へ 中世の眠りを覚ます 創造的文明移転の時代 中世の真っ只中、閉ざされた一文化圏であったヨーロッパが、突如として「離陸」を開始する12世紀。東方からシチリアへ、イベリア半島へ、ギリシア・アラビアの学術がもたらされる。ユークリッド、プトレマイオス、アル=フワーリズミーなどが次々とラテン訳され、飛躍的に充実する西欧の知的基盤。先進的アラビアとの遭遇が生んだ一大転換期を読む。 第1講 十二世紀ルネサンスとは何か 第2講 十二世紀ルネサンスのルートと担い手 第3講 シャルトル学派の自然学 第4講 シリア・ヘレニズムとアラビア・ルネサンス 第5講 アラビアから西欧へ 第6講 シチリアにおける科学ルネサンス 第7講 ロマンティック・ラブの成立
Posted by
ギリシアの学術知識はほとんどがビザンツに引き継がれ、西ヨーロッパには僅かしか伝わらなかった。伝播に寄与したのは異端とされ東方へ追放されたキリスト教徒であった。ギリシア語文献のアラブ翻訳によりアラビア学術は11世紀に黄金期を迎える。 12世紀になりアラビア語を翻訳して西欧に伝わる。...
ギリシアの学術知識はほとんどがビザンツに引き継がれ、西ヨーロッパには僅かしか伝わらなかった。伝播に寄与したのは異端とされ東方へ追放されたキリスト教徒であった。ギリシア語文献のアラブ翻訳によりアラビア学術は11世紀に黄金期を迎える。 12世紀になりアラビア語を翻訳して西欧に伝わる。翻訳の担い手は修道士達が多い。西欧が世界史の中心となる知的基盤ができてきた。12世紀以後は暗黒時代ではない。その背景には封建制度確立、三圃制による農業革命、農業の効率化による商業の活性化、大学の設立がある。十字軍による知的影響は意外と少ない。12世紀ルネサンスは哲学、科学、法学の領域において特徴がある。 文化伝播ルートの拠点はスペイン、シチリア、北イタリアである。先駆者として尊者ピエール、バースのアデラードがいる。アラビア文献を翻訳し、権威や常識ではなく理性を重んじた。 シャルトル派は自然の合理的探求によって神の認識を目指した。これはのちのガリレオ、ニュートンら科学革命につながる。 スペインの代表的翻訳者にクレモナのゲラルドがいる。 女性に対するロマンティックな愛という概念は12世紀に発明された。古代ギリシアの愛は基本的に同性愛であり、異性愛の観念は11世紀アラビアで発達した。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ルネサンスと言えばイタリア!14世紀のフィレンチェ! こんな常識は歴史を無批判に解釈しすぎて、なんなら間違ってますよ! ルネサンスはイスラムとアラブ社会を経由して12世紀に達成されたんですよ! という講演録を活字にした本です。 1984年の講演だそうですが、何故こんなに大事な内容が中学高校の教育内容に反映されないのか謎です。なんなら未だに十字軍がきっかけとか書かれてるらしいですからね・・教科書とかには。 <もう少し具体的に> 一度消えてしまったギリシア・ローマ文化を継承していたのはビザンツ帝国を追い出された異端のキリスト教徒。彼らがシリア、アラブでキリスト教を広めることで、その教義の元に流れるギリシア文化を伝播し、ヘレニズム文化をすでに継承していたイスラム社会との融合が起こり、新しい文化に発展させることができた。 この新しい文化を受け取る許容(教養とするべきかも)があったのは、すでにイスラム教徒になじみのあったシチリアやスペインであった(フリードリヒ二世とかを思い出しちゃいますよね)という循環が12世紀に起こったルネサンスである、という内容です。 「巨人の肩に乗る」の本家がでてきたくだりは感激でした。 <教訓> 新しい文化を継承できる人たちはえてして移民であるというのは、なんだか現代の問題のようにも感じられました。特に問題がなければ何も変える必要ないですからね。ということで過去を知って今に活かす、という大変興味深い内容でした。 <レベル> 市民むけの講演ということで分かりやすいですけど、初級者向けとは言いがたい。。あれですね受験とかの感覚でいうと、基本は学んだけどイマイチ意味が分からなかったというような人が読むと楽しめるんじゃないかしら。そして、意味がわからないのは合理的な説明になってないから、ということも同時に感じ取れるんじゃないかしら。大学の授業らしくて大変面白かったです。まだ疑問点は残ってますけど、その辺はまた別の本で勉強していきます。
Posted by