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意地悪な人(2006) ベスト・エッセイ
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意地悪な人(2006) ベスト・エッセイ

日本文藝家協会【編】

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意地悪な人(2006) ベスト・エッセイ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光村図書出版/光村図書出版
発売年月日 2006/06/30
JAN 9784895283991

意地悪な人(2006)

¥550

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2024/06/15
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「何か意味のある棘に触れたい。。でも長いのは疲れる。未読の作家をチラ見するためにも棘をテーマにしたエッセイ集とかあれば。。」と思いネットを彷徨って見つけた本。「ベストエッセイ2006 意地悪な人」 残念ながら「意地悪」をテーマに集めたものではなく表題は林真理子の短編からつけられたものだったけれど、時代もテーマも様々。 途中「なんでこんな凡庸なのが入ってんの」とか「作家でもないのにこの人が?」と思っているものも最後まで読んでみると納得のバランス。押しの一手の歌唱法もそれはそれで価値があるけれど(瀬川瑛子)余白の美というか抜きというか。緩急っていうんですかね。突飛な捨て石、悪目立ちのアイテムと思いきや後から効いてくるのねぇ。時代もテーマも文才も心地いい凸凹。その心地良さはエッセイを選び、どの順番に。。との編集の審美眼からもたらされるのは勿論でしょうけど、実は作家のエッセイを無作為に並べても同じような効果が得られるのかもと思ったり。やはり他人がたてたスケジュールと枠組みでモノを書いてお金を稼いでいる人達の才能とインパクトたるや。楽しいチラ見でした。 一昨日の犬の散歩もどの公園に行ったやら思い出せない私。ここで気に入ったエッセイを取り上げたところで「どんな話でこれのどこに引っかかったのやら」と未来の自分を困惑させるだけとは分かっているけれど、奇跡的に覚えているかも知れないので目次に戻って書き出してみる。 知らないでいることの難しさ静けさを教えてくれる病気の犬「知らないでいる」(小川洋子) 勝負事が苦手な作者にどこからか聞こえた澄み渡る声「墨の声」(篠田桃紅) 「漱石は名脚本家」(鴨下信一) 白いバラなど惨すぎる「七十本の赤いバラ」(林京子) 過去は過ぎ去らぬただ黙々と積み重ねるだけ「庭先の真理」(井上ひさし) 屈託のないのどかな「骨を洗う」(梯久美子) 9歳の女児の翻訳「珍しいキノコの採集」(岸本佐知子) 中でも私の性格に(そして棘を探していた今の私に)合っていたのは林真理子の「意地悪な人」 とはいえ、表題になっていることと無知な私でも知ってる有名作家(だがオムニバス以外で読んだことはない)だから引っかかっただけというのが実のところなのだろうけれど。 「全然美人でないのに美人だと思ってる女には軽い殺意さえ抱く」 「美人は普段同性から嫌われないように色々気を遣っている。一度美人だけで寛いでいる時の会話を聞いてみたい。」 ともに林真理子の発言ではなくエッセイストの酒井順子の発言を拾ったものだそうな。 ブスにとって何が腹が立つかといえば、自分と同じくらいブスのくせにスポットライトを浴びたがる出たがりブス。自己肯定感の高い打たれ強ブス。ブスの美人気取りが腹立つのは(ブスなら)誰もが口にする当たり前のこととして、美人だけで寛いでいるところってのが特に好き。 東大だって1番から1000番までいるだろうし、同じように美人であっても肌の色、年齢、身長、知識、学歴、財力(実家の太さ)、受賞歴、恋人の質、はては海外旅行先やペットまでも序列が出来るから美人だけで寛ぐのは無理だ。但し女性の方が随分マシ。これが男なら見るも無残(で滑稽な)同性ヒエラルキー競争となる。 でもこの発言が作者の「ブス根性」をより端的に表してていい。 そして何よりも 林真理子は「肌が綺麗で顔立ちも整った」酒井順子が美人に手厳しいことを楽しげに(時に爆笑を交えて)リズミカルに書いていく。彼女の容姿を褒める上で最初の一言が「肌が綺麗」だ。 林真理子は「美人のあの子が美人に手厳しいのよねぇ」と面白おかしく話しているが、先の二つの文章が美人から発せられることは決してないと知っている。彼女はその道を人生と同じ時間だけ歩んできたプロであり、追加して、作家でもあるからだ。 肌の綺麗な意地悪人である酒井順子を微笑ましく紹介し、同時に自身の意地悪さで格の違いを見せつけ、最後に「これを読んでるお前も意地悪だよなぁ。表現する文才はないけれど。」と言い残している。意地悪な読者に意地悪なエッセイストを紹介する意地悪な作家。 この本のおかげでまずは林真理子と酒井順子を読んでみよかなという気になったよ。

Posted by ブクログ

2022/01/16

2006年に雑誌、新聞など各方面で書かれたエッセイを集めた本。サブタイトルの「意地悪な人」は編纂委員の一人でもある林真理子のエッセイのタイトルで、「エッセイはいい人には書けない」という持論からつけられている。 16年前の本で、第2次大戦を経験した年配の方が多く、そのため戦後のこ...

2006年に雑誌、新聞など各方面で書かれたエッセイを集めた本。サブタイトルの「意地悪な人」は編纂委員の一人でもある林真理子のエッセイのタイトルで、「エッセイはいい人には書けない」という持論からつけられている。 16年前の本で、第2次大戦を経験した年配の方が多く、そのため戦後のことを思い出して書かれたものや、老いをテーマにしたものが多い。その他、当時まだ記憶に強く残っている自然災害やテロのことなども。 短いものは3ページ程度だったり、基本的に世相や日常を切り取った題材であるため非常に読みやすい。じんわりと入ってくるエッセイの数々をさっと読み終えられた。

Posted by ブクログ

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