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笑う大英帝国 文化としてのユーモア 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 2006/05/19 |
JAN | 9784004310174 |
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笑う大英帝国
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商品レビュー
3.3
8件のお客様レビュー
王様、政治家、雇用主など権威を笑いのネタにすることにかけては世界でも有数の国民性を持つイングランド。思わず顔がひきつるほどの毒をも含む笑いが社会を活性化してきたその文化を読み解く。 150年の歴史を持つ風刺漫画雑誌『パンチ』を中心に、イギリスに根付くカリカチュアの文化を眺める...
王様、政治家、雇用主など権威を笑いのネタにすることにかけては世界でも有数の国民性を持つイングランド。思わず顔がひきつるほどの毒をも含む笑いが社会を活性化してきたその文化を読み解く。 150年の歴史を持つ風刺漫画雑誌『パンチ』を中心に、イギリスに根付くカリカチュアの文化を眺めるのが面白い。ジョン・テニエルが結構えげつない戯画を描いており、そこに潜む当時の人種差別意識を見逃さない辺り富山先生らしい切れ味。 権力者を徹底的にしゃれのめす国民性については、昨年読んだシェイクスピア評論と見せかけてトランプ政権批判の書であるグリーンブラッドの『暴君』でも指摘されていたことだが、笑いという異化作用への強い欲求があるのだと思う。近代以前の日本にもこのノリがあったことを思うと、王室を持つ階級社会だからこそ毒抜きとしての笑いが広く認められているのかも。 使用人の笑いと戦争体験者の笑いとセクシャルマイノリティーの笑いには、社会でサバイブしていくために必死で掴んだ藁のような切実さが滲む。毒のある笑いとセンチメンタリズムの補完関係について本文中で富山先生も指摘しているが、本書の構成にもそれが当てはまるのだろう。逆に言うと、本書の前半は富山先生の文章自体がブリティッシュユーモアの文体模写になっているので、とにかく意地悪!(笑)でも面白かった。
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笑いについての考察をどう真面目にしたらいいのか、を悩んだ結果、あまり体系立てずに書きなぐろう、という結論に落ち着いたことが示唆される書きぶり。 それはそれでいいし、文中にある著者自身のユーモア的な箇所も悪くはないんだけど、時折「これは説明を必要としない」「これを理解できない感性は...
笑いについての考察をどう真面目にしたらいいのか、を悩んだ結果、あまり体系立てずに書きなぐろう、という結論に落ち着いたことが示唆される書きぶり。 それはそれでいいし、文中にある著者自身のユーモア的な箇所も悪くはないんだけど、時折「これは説明を必要としない」「これを理解できない感性はないはずだ」みたいなものが出てきて、それがことごとく理解できない自分が悲しくなってしまった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
著者自身は楽しく書かれたのだろうと思う。 大英帝国式ユーモアのいろはも知らないためこの本を手に取ったのだが、どうやら自分は著者が言うところの「笑いとかユーモアについての本を読もうなどという人は意外と誠実で、真摯で、謹厳実直で、融通のきかない石頭の所有者」(本書P.179)にがっつり当てはまるようだ。 笑い話(ユーモア、ジョーク)の類を解説するのは(理解できる御仁方には)興醒めこの上ないことだろうが、このユーモアで笑うために懇切丁寧なご説明を頂戴したかったのだ。残念である。
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