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男らしさの社会学 揺らぐ男のライフコース SEKAISHISO SEMINAR
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 世界思想社/世界思想社 |
発売年月日 | 2006/05/20 |
JAN | 9784790711919 |
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男らしさの社会学
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商品レビュー
3.3
3件のお客様レビュー
2006年に刊行された本。ちょっと古いかなと思いながら読んでみたら、何というか……そのとおりだった。この本が書かれた頃からちょっと前を振り返れば、けっこう1990年代ってメンズリブ的な動きがあったみたい。それが2000年くらいを境に下火になってしまう。著者はその誘因をメッセージの...
2006年に刊行された本。ちょっと古いかなと思いながら読んでみたら、何というか……そのとおりだった。この本が書かれた頃からちょっと前を振り返れば、けっこう1990年代ってメンズリブ的な動きがあったみたい。それが2000年くらいを境に下火になってしまう。著者はその誘因をメッセージの浸透と差異の顕在化ゆえといい、特に後者に言及し、「確かに、「同性内の差異と不平等」は、何も男性内だけに見られるものではなく、女性内でも同様に見られる現象である。しかし、女性と男性で決定的に異なっているのは、集団として見た場合、女性は不利益を被っている側であるのに対して、男性は利益を得ている側であるという点である。女性の場合、いくら内部での差異や利害の対立が顕在化してきたとしても、最後には共通の敵である「男」という他者との関係において、女性の利害は一致する。しかし、男性の場合、集団として利益を得ているのは男性側であるという前提に立つ限り、敵は自分たちの側にいることになる。したがって、男性内での差異や利害の対立が表面化すれば、男性運動の凝集性は弱まるしかない。」(p.184)というのだけど、一面ではうなずけつつ、かといってそれほど簡単に退潮してしまうものだろうかとも思う。 さらに現代に至っては、男性の育休取得が政策的に進められたりしてるにもかかわらず、何だかさらに退潮している感がしてしまう。それって先導するような人たちがいないってことじゃないだろうか。フェミニズムにしてもセクシャルマイノリティにしても、(男)社会に向けた運動が連綿と続いている。それがメンズリブ的なものは早々に下火になってしまったような感。 まあ、難しいところだと思うし、結局男であることにのうのうとしていられる輩が力ももっていたりすればやる気もなくなろうってもんだけど、それでは世のなかよくならないしね。どうして、男だ、女だってことで分けたがるんだろう。問題の根本はそのへんにあると思うよ。
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男らしさを学問的に検討する男性学は、フェミニズムに応対するために生まれたディシプリンだった。しかし女性学が生まれる前の人文・社会学は、性別を特に峻別することなく、基本的に男性を研究対象とする前提があったという。よって、男性学の研究蓄積はそう多くなく、特に日本でのそれはかなり少ない...
男らしさを学問的に検討する男性学は、フェミニズムに応対するために生まれたディシプリンだった。しかし女性学が生まれる前の人文・社会学は、性別を特に峻別することなく、基本的に男性を研究対象とする前提があったという。よって、男性学の研究蓄積はそう多くなく、特に日本でのそれはかなり少ないことがわかった。著者による先行研究のまとめによれば、英語圏では、伝統的な男女の役割を訴える「保守派」、フェミニズムが扱わない男性の抑圧・疎外された問題を検討する「親フェミニズム派」、「男性の権利派」、「マイノリティ派」といったグループが論者の分類となっている。また彼らが持つ視点の中で興味深いのは、男性性に対するアプローチとして、一見自明に見える中立性・普遍性の中から実態を分析したり、その他にも複数性、重層性について研究されている。本書は文献研究を中心としており、分析は、男性の各ライフステージの区切りごとに章立てされ、学校→青年期→企業・社会→育児のはざま→定年後というようにそれぞれ小括されている。 5章までで読者に提起する知見は、学校制度・官僚制・企業制度は、かなり男性化された組織体系と捉えられることだ。その理由は、史的に見て、当該制度は女性を含むことなく男性だけの集団で成立したことを挙げている。現代では成立期とは、諸制度・実状と共に当然異なる様相となっている。特に学校制度は劇的に変化した。ただ本研究によれば、依然として社会の中の諸組織では、男女の機会均等、雇用の二極化及び能力・競争主義等が公式・非公式に採られながらも、男性支配体制が持続することを見通している。同時に女性がそうした組織に参入するには、男性化した女性であることが期待されてもいる。ファミリフレンドリー政策は、結果的に女性間(一部の男性も含む)でのセレクションを促進していることを示している。個人的には、こうした構造を了解して、いずれの進路を選択するにしても、生活上のその他の様々な要素と組み合わせて、したたかに立ち振る舞うことが実務的には賢いのではないかと思った。
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男性学についての適切な入門書。参考文献や索引も充実している基礎文献でもある。 出版から十年たっているが、貧困の問題がより深刻になっているだけに、本書で指摘された問題点は、より切実な状態にあるのではないか。
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