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なんとなく、日本人 世界に通用する強さの 世界に通用する強さの秘密 PHP新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | PHP研究所/ |
発売年月日 | 2006/05/17 |
JAN | 9784569649870 |
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商品レビュー
4.1
9件のお客様レビュー
私たち日本人って二品…
私たち日本人って二品のことを余りに知らなさ過ぎますよね。この本でそれが良く分かりました。
文庫OFF
十数年前、日本人論に関する書籍をいろいろと読み漁っていた時期に手にした本書を、2020年の新型コロナ禍の混迷期においてあえて再読してみた。 世界規模で生じたパンデミックにより、国内においても「新しい生活様式」や「New Normal」が謳われる中、改めて日本人としてこれからの社...
十数年前、日本人論に関する書籍をいろいろと読み漁っていた時期に手にした本書を、2020年の新型コロナ禍の混迷期においてあえて再読してみた。 世界規模で生じたパンデミックにより、国内においても「新しい生活様式」や「New Normal」が謳われる中、改めて日本人としてこれからの社会を生きていくためにはどうすれば良いのかを自粛期間中に再考したかったからである。 また、郵政民営化に代表される構造改革や規制緩和が実施され、グローバリゼーションが声高に叫ばれた小泉内閣後期に書かれた本書を、2010年代から各国で台頭したナショナリズムを経た2020年現在にて検証してみたいという想いもあった。 筆者の小笠原泰氏は、生後から学生時代までを文化都市鎌倉で過ごし、海外留学にてMBA取得後、外資系コンサルティングファーム、外資系事業会社、国内コンサルティングファーム等を歴任した異色の経歴を有している。つまり日本と欧米双方の思考様式を理解し言語化することのできる希有な存在だといえる。 したがって本書は、巷にありがちな「ここがヘンだよ日本人」的な日本と欧米との単純な比較文化論ではなく、筆者の日本と欧米での実体験を踏まえつつ、日本人の自己構造と日本的思考メカニズムが論理的に分析された、日本国および日本人における"グローバル社会の生き方指南書"といえよう。 筆者が本書で何度も強調するところの、「日本特有の行動様式、思考メカニズム、自己構造に裏付けられた強みを理解することなしに、形だけのダイバーシティやグローバリゼーションを真似したところで何の意味もない」という主張は、本書が世に出てからリーマンショック、東日本大震災、新型コロナ禍を経た2020年6月現在においてもなお説得力を持つ。 元号も令和となった現在、グローバル人材育成を目的とした論理的思考力と語学力の強化手段として、小学校からのプログラミングと英語の導入、さらに大学入試制度改革やインバウンド政策等が進められている。 しかしながら、日本人の強みであるリノベーション(刷新)力を理解せずしてこれらを実施しても、ナショナリズムが台頭したグローバル競争で生き残っていくための術が身に付くとは考え難い。 本書のタイトルでもあるように、日本は古より長い年月をかけて相互協調的な行動様式(エートス)を根付かせ、意識的に自分は日本人だと思わなくても「なんとなく、日本人」として成り立つ社会を醸成してきた。 それが日本人のアイデンティティとして良いことかどうかはともかく、こういった日本人の(言語も含めた)特性や強みの理解が、これからの時代を担う若者にも必要不可欠であると再認識した次第である。 また、筆者は最後に、これからの時代を生きる日本人として重要なことは、日本の伝統文化のみに目を向け過去を振り返ることではなく、日本人の特性や強みの本質を理解しつつ『変わらないために変わること』であると結論づけていることは、再読したからこそ思い返すことのできた重要な論点であった。 本書は学術的アプローチではないものの、ありがちな比較文化論的ではない視点から日本人について論理的に切り込んでおり、結論も普遍的で令和の時代においてもあてはまることから、初読後十年以上経って再検証できたことは有意義であった。 ただ、読みやすさを優先する新書という形態だからか、説明は論理的ではあるものの、設定したテーマや仮説が客観的データに基づいておらず主観的に述べられていたこと、グローバリゼーションをテーマとして扱っていながら"日本と欧米"という二元論的な考察が散見されていたことなどから、評価は星4つとした。
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グローバル化が、インターネットに媒介されるように、国境に代表される様々な境界線を、ヒト、モノ、カネが超える《脱国境化》の現象と、それによって更に際立つ民族、共同体、伝統などが見直される《地域性の再評価》の現象が同時に起こるものだとするならば、前者のみに力点を置くような対応の仕方...
グローバル化が、インターネットに媒介されるように、国境に代表される様々な境界線を、ヒト、モノ、カネが超える《脱国境化》の現象と、それによって更に際立つ民族、共同体、伝統などが見直される《地域性の再評価》の現象が同時に起こるものだとするならば、前者のみに力点を置くような対応の仕方では不十分である。後者への対応を、ナショナリズムや排外主義に陥らないようにハンドリングすることを同時に行わなければならないはずだ。 最近になって、「グローカル(glocal)」なる言葉が一般化したように、不十分ながら、ようやく後者へのクローズアップがなされるようになってはきている。ただし、まだ「グローバル化に対応できる人材の育成のために、英語を重視すべきだ」なる主張が後を絶たない。英語の重要性は否定しないが、英語はあくまでコミュニケーションのスキルに過ぎない。コミュニケーションを豊かにするのは、その人の人間性の基礎となる教養である。「とにかく英語でコミュニケーションできることが重要だ」という信念に動かされているだけでは、誤ったグローバル化への対応であると言えるだろう。 そのような考えに、本著は筋道を立てた根拠を与えてくれる、本格的な日本文化論だ。発行されてかなりの年月が経過しているが、日本人の思考スタイルを、過度に賞賛せず、過度に批判せず、論理的に整理している。ただ外部のものを取り入れればよいというものではダメなのは当然で、日本人の思考スタイルにカスタマイズした形で、今までも外来思想を取り入れてきたのだから、それを忘れてはならないだろう。
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