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青の歴史
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房/筑摩書房 |
発売年月日 | 2005/09/25 |
JAN | 9784480857811 |
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青の歴史
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
「青」という色の意味合いとその重要性を歴史を追う形で解説してあるのだが、いろいろと新鮮な発見があった。 「色」というものは単なる表現の一要素ではない。それをつくり出すために必要な染料がどこで、どのようにつくられ、どれほどの量がどのように伝播したかも重要な点であり、それは時とし...
「青」という色の意味合いとその重要性を歴史を追う形で解説してあるのだが、いろいろと新鮮な発見があった。 「色」というものは単なる表現の一要素ではない。それをつくり出すために必要な染料がどこで、どのようにつくられ、どれほどの量がどのように伝播したかも重要な点であり、それは時として商品相場を大きく揺るがす要因ともなりえたのだという。つまり「色」の流行は経済要因でもあったのだ。 そしてそれが受け入れられるレベルによってその「色」の意味するものも大きく異なって来る。当然比較文化的な要素も加わり、同じ「青」でもいろいろな意味合いを持つのだ。 単に「青色」だけではなく、「色」全体について新しい視点を与えてくれた本だった。 ただ哀しいかな最初の方の翻訳がいかにもぎこちなくて読みにくい。また、予算の関係もあるのだろうけれど本来ならカラーのはずの図版がほとんど白黒であるために意味するところがわからない。もうちょっとリッチにつくって欲しかったと思う。
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ミシェル・パストゥローは、フランス人であり紋章学の権威です。 西洋の青といえば、マリアの衣。 マリアは赤い服に青い衣を羽織っている場合が多い。赤は慈愛、青は天を表すといいますね。 それから、フランス軍の軍服、王家の紋章の素地、教会のステンドグラスの青などなど思い浮かぶものはいくつ...
ミシェル・パストゥローは、フランス人であり紋章学の権威です。 西洋の青といえば、マリアの衣。 マリアは赤い服に青い衣を羽織っている場合が多い。赤は慈愛、青は天を表すといいますね。 それから、フランス軍の軍服、王家の紋章の素地、教会のステンドグラスの青などなど思い浮かぶものはいくつかあるが、青色の歴史を多ジャンルからまとめるのは大変なことであり骨の折れる作業にほかならない。 ミシェル・パストゥローは、時代別に章を四つに分割し、史実を追いつつ青色に深く踏み入ってゆく。 青という色は自然界にポピュラーに存在していたにもかかわらず、使いこなすには時間がかかったようだ。 後期旧石器時代の壁画は、赤、黒、茶色などで描かれ、青や緑の色彩はない。 古代ローマでも青色はあまり評価されず肯定的にとらえられない色であり続け、中世初期に到っても象徴性を持たなかった。 12世紀以後、青は急速に流行の色、貴族の色に変貌していったという。 聖母マリアの青い衣がアトリビュートとして描かれはじめるのもこのころで、教会のステンドグラスに深みのある青が多く使われはじめるのもこのころかららしい。 中世末期になると青は気高い高貴な色として君臨する。 色彩が多くの分野で多彩化されても青の人気は高かった。 赤を愛したルイ14世とは逆にルイ15世は青を愛し国王の色となる。 『色彩論』を著したゲーテは、個人的嗜好から青と緑を好み、その著書のなかで青色に重要な地位を与えている。 現代、色彩がますます多様化し、人間の作り出したありとあらゆるものに日常的に青色が存在する。そして景観は大きく変わったとはいえ、自然の中にも青があり、空の青、海の青も健在である。 ガガーリンの「地球は青かった」という言葉も本書の青の歴史を辿った後ではより感慨深い言葉となって響いてくる。 原書は、98点の図版はすべてカラーだが、訳書の本書(日本語版)では21点以外はモノクロ図版で残念であった。
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色はもはや波長であるだけじゃない という一節が印象的でした。 ブルーを好むのは西洋文化で日本ではホワイトが圧倒的。 余白とか図像の話だけじゃなくて、文化の違いは大きい。 固有色の違いよりも濡れた色かそうでない色かを大事にする文化圏。 茶色の中でも暖かいか、冷たいかの差は手に入...
色はもはや波長であるだけじゃない という一節が印象的でした。 ブルーを好むのは西洋文化で日本ではホワイトが圧倒的。 余白とか図像の話だけじゃなくて、文化の違いは大きい。 固有色の違いよりも濡れた色かそうでない色かを大事にする文化圏。 茶色の中でも暖かいか、冷たいかの差は手に入る顔料の中で得ていくものなんだろうな。
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