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空間の経験 身体から都市へ ちくま学芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房/筑摩書房 |
発売年月日 | 1993/11/05 |
JAN | 9784480081032 |
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商品レビュー
4.2
13件のお客様レビュー
主観的、身体的な視点…
主観的、身体的な視点から空間を論じる。ハイデッカーに近い視点をもつ。建築、空間デザイン系学生必読書。
文庫OFF
空間(space)と場所(place)について、色々な文脈から論じた概説書。原著タイトルは"Space and Place: The Perspective of Experience"で、こちらの方が意図を明確に示していると感じる。「経験」に関心を持ってい...
空間(space)と場所(place)について、色々な文脈から論じた概説書。原著タイトルは"Space and Place: The Perspective of Experience"で、こちらの方が意図を明確に示していると感じる。「経験」に関心を持っている私にとっても楽しめる本だった。 著者は研究者であるだけあってとても中立的な筆の運び方が続いていく(美しい訳も素晴らしかった)けれども、著者の出自が中国大陸にあるからか、どうも東洋的な視点というか、そこまでいかなくても素地のようなものを随所に感じながら読み進めた。西洋的なものを無視しているというわけではなく、むしろ学術的には過去の西洋を中心とした貢献を引用・参照しているのだけれども、東洋的なものをベースに着想が行われているように思う。この点、原著を読んでいるであろう数多くの西洋人に意見を聞いてみたい。 面白かった箇所の一部抜粋は以下の通り。 ・ミネアポリスに長い間住んでいる人は、その都市をよく知っている。タクシーの運転手は、ミネアポリスの道路を具体的に覚える。そして、地理学者はミネアポリスを研究して、その都市を概念として知っている。これらは、三種類の経験の仕方である。18頁。 ・経験という言葉は、受動性という含意をもっており、人が耐え忍んだこと、もしくは、人がこうむったことという意味を暗示している。(略)このように、経験とは、自分がこうむってきたことから学ぶ能力という意味を持っているのである。22頁。 ・上階で暮らすには多くの労力を要したのである。古代ローマはもちろんのこと19世紀のパリでも、格の高い階というのは、地面と同じ高さにある商店のすぐ上の階だった。74頁。 ・このように密集に適応することによって、犠牲となるのは何であろうか。犠牲にされるのは、人格の深い内面性を発達させる機会のように思われる。プライバシーと孤独がなければ、内省を持続させること、自己を厳しく見つめること、そして自己の理解を通じて他者の人格を十分に理解することは不可能なのである(出典あり)。122頁。 ・(ユダヤ教を例にして)超絶的な希望を説く宗教は、場所を創出することに水を差す傾向がある。そのような宗教は、「今あなたが所有しているものに執着してはいけない。現在というのは未来への途上の野営地もしくは途中の逗留所であるかのようにして、現在の中で生きなさい」と教えているのである。320頁。 ・形態は、崩壊しやすいものでしかない特定の実態よりも重要である。形態を復活させることは可能であるが、形態を作り上げている材料が崩壊するのは必然なのである。日本の神道の古くからの習慣は、このような再生の観念によって説明することができる。神道の神社は一定の期間ごとに完全に建て替えられ、備品と装飾も一新される。(略)それに対して、ローマのサン・ピエトロ大聖堂、シャルトル大聖堂、カンタベリー大聖堂といった大きな教会堂は、何百年もの間風雪に耐えてそこに立っている。長い期間に渡る建築の過程でその形態は変化していくが、ひとたびそこに存在するようになった実体は不変のままなのである。338-339頁。 ・経験に対する盲目というのは、人間が共通に負っている条件なのである。われわれは、知っていることにはめったに気を留めない。われわれが気を留めるのは、それについて知識があることに対してである。われわれは、ある種の現実を認識するが、それは、その現実が他者に容易に示し教えることのできる種類のものだからである。われわれは他者に教示できる以上のことを知っているにも関わらず、自分が他者に教示できることが知っていることのすべてだと信じ込んでしまう。357頁。
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人間にとって空間とは何か、それはどんな経験なのか、また我々は場所にどのような特別の意味を与え、どのようにして空間と場所を組織だてていくのだろうか‥。70年代、現象学的地理学の旗手として登場した著者が、幼児の身体から建築.都市にいたる空間の諸相を、経験というKey Termによって一貫して探究した書。 -20100131
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