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フィールドワークへの挑戦 “実践"人類学入門
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 世界思想社/世界思想社 |
発売年月日 | 2006/04/30 |
JAN | 9784790711889 |
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フィールドワークへの挑戦
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商品レビュー
4.6
5件のお客様レビュー
ほとんどが学部学生の実践である。2部では6つの実践のレポートが非常に詳細に掲載されている。その前の1部では、学生の実践とそれに対する筆者の分析が書かれているので、実際にフィールドワークを行う学生には役に立つであろう。
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他者を知り自己を知る。 目を凝らせば日常の中に謎がある。 その謎を突き詰めていく手段。 探究心が新たな発見を生み、その集積がやがて知となる。
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副題は「<実践>人類学入門」。「もし、みんながブッシュマンだったら」の著者、菅原和孝さんが、大学で「社会人類学調査演習」という授業を担当したときの学生のレポートを批評、公開しているもの。基本的に、菅原さんがおもしろいと思ったレポートが紹介されていて、ただ、フィールドワークとして、...
副題は「<実践>人類学入門」。「もし、みんながブッシュマンだったら」の著者、菅原和孝さんが、大学で「社会人類学調査演習」という授業を担当したときの学生のレポートを批評、公開しているもの。基本的に、菅原さんがおもしろいと思ったレポートが紹介されていて、ただ、フィールドワークとして、どこをどうすればもっとよくなるか、というコメントがつけられていて、勉強になる。また、完成度の高い作品6本については、そのまま紹介されている。(っていっても、これが授業の際のレポートというわけではないと思うけれど)「人生至る所フィールドあり」と前書きに書かれているが、本当に、様々な着眼点がある。私と興味の似ているものもあるし、全然、興味のなかったことも、それに関するレポートを読むと、へぇ、おもしろい、と思ったりする。 第一部第四章、「信じることの手ざわり」で、菅原さんは、霊感の強い女子学生が、神秘的な力について、例をあげて語ったときのことを書いておられる。 (彼女の話に対して)わたしが苦笑すると、彼女は言った。「わかってくれなくてもいいんです。わからない人にはわからないんだから」。 わたしはとてもがっかりした。「わからない人にはわからない」と言い切って対話を閉ざしてしまうことは、人類学からもっとも遠い態度であると思えた。わたしがそのことをきちんと彼女に伝えられなかったのは、「信じる」人と「信じない」人とのあいだに横たわる深淵をどうやったら跨ぎこせるのか、自分自身にも見当がつかなかったからだ。(p.117) これは私も感じている。私自身は、「信じない人」だが、「信じる」人をわかりたいなぁと思うことはある。何か不思議な経験をした人は、あることを信じるようになり、でも、それを経験していない人に伝えるのはむずかしいんだろうなぁ。ユングが「共時性」ということを言っているそうで(このページの説明がわかりやすかった。たとえば、「ある人のことを考えている時、電話が鳴る。出てみると、丁度その時考えていた相手だった。」というような例)、そういう科学的にみえないことについて、学問としては「神秘主義」と批判されたりしている。ただ、「単なる偶然」といえないことがこの世にはあるような気もする。「人間にはわからない大きな力がある」と言われればそうなのかもしれない、とは思う。 夫は特に何かの信仰を持っていたわけではないが、「神様はいるんじゃないかと思うことがある」と言っていた。「物理とか数学を勉強していると、世界があんまり美しいので、何かそういう存在があるのでは、という気がする」と話していた。 信仰について調べたり考えたりするのはおもしろそうだが、菅原さんは、学生がある悪名高い大教団の調査をしたいと言い出したときには即座にそれを禁じたそうだ。「カルト教団の洗脳技術を見くびったらダメだ。君が洗脳されたら、私は教育者として責任がとれない。」その後、実際、教え子をオウムに送り込んだ大学教授が非難をあびるという例があったそうだ。 フィールドワークというのは、観察者として外側から見ているだけじゃなく、内側に入り込まないとわからないことも多いから、そういう注意が必要なのだろう。でも、入り込むからこそおもしろい。ただ、そのためには、他人と結構深く関わりを持つことになる。この本のなかでも、何人もの学生が、「(調査の対象にされている人たちは)迷惑なのでは」と感じてためらう姿が書かれていたけど、その気持ちもよくわかる。人のプライバシーに踏み入ってまで、人の時間をさいてもらってまで、するほどの価値のある研究なのか。...自分が何かの研究を始めるときには、そのあたりのことをはっきりさせておかないといけないな、と思う。
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