古代の朱 ちくま学芸文庫

松田壽男【著】

• 内容紹介: 内容:古代の朱. 即身仏の秘密. 学問と私
• 販売会社／発売会社: 筑摩書房/筑摩書房
• 発売年月日: 2005/01/10
• JAN: 9784480089007

商品レビュー

2010/05/28

古代における「朱」と…

[文庫ＯＦＦ]

古代における「朱」とは、どのようなものだったのか。実証的な研究で、歴史の重みを感じます。

2020/02/18

ここ最近の読書成果の最大成果と言える書籍だった。直近で読んだ古代の鉄と神々とセットで読むことになった、偶然の朱専門店との出会いに感謝したい。我が国の歴史は鉄と辰砂である程度理解できる。と実感が持てるようになった。ここに土器の歴史と諸外国との関わりを結びつけ、脱亜入欧により狂った我が国の歴史観を改めることができるのではないかと個人的にはほくそ笑んでいる。豊葦原の瑞穂の国であり日の本の国であり水本の国である我が国の再興を祈念し続けたいと本書の感想とともに書き残す。

2018/09/13

　本書の著者が記した「丹生の研究」は手に入りづらいので、代替として読んだ。
　我が国における水銀（丹生）の利用に関する研究をまとめたのが本書である。

p.35
　水銀五にたいして錬金一の割合であまるがむをつくり、これを仏体の表面に塗る。そのあとで炭火で水銀を蒸発させてしまうと、純金が銅の肌にくいこむように、しっかりと附着する。（中略）これをアマルガム鍍金とよぶ（中略）。大仏のために伊勢産の水銀が多量に献上された報告にほかならない。奈良の大仏が金アマルガム法で鍍金されたことは、明らかであろう

　我が国における冶金の歴史を見ることが出来るのみならず、新たな側面から見た中国とのつながり、さらには資源大国としての我が国、という様々な歴史の側面を知ることが出来る。