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三国志(第五巻)
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2006/09/29 |
JAN | 9784163253305 |
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商品レビュー
3.5
10件のお客様レビュー
ようやく官渡の戦い。史実を元にした小説、なので、どこまで本当なのか、ですが、そういうことではなく、著者から見た三国志、なんですね。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
第5巻の最初の章は「孫策」だ。孫策は若く強い。周瑜の名前も登場する、孫策と周瑜は朋友であり、このタッグは無敵とさえ思える。また、その次の章「素志」においては、曹操が戦っている。 このときの勢力図は、名門出身の袁紹と袁術が二強でああった。その周辺で曹操、劉表、劉備、孫策らがじわりじわりと勢力を拡大しつつあり、力のバランスに緊張が生まれつつあったが、それでも袁紹、袁術は一段格上の存在であった。 従って、袁紹と曹操の勢力を比較してみても、圧倒的に袁紹のほうが巨大であり、曹操は実力つけつつも、まだまだ弱小軍団のイメージはぬぐえなかった。 しかし、袁紹には「おごり」が見える。軍の戦略も、ほぼ袁紹の思いつき的なものであり、軍には優秀な参謀的存在がいたにも関わらず、その声にすなおに耳を傾けず、思いつきで戦いを進めていく感がある。おおざっぱなのである。そしてまた、肝心なときに優柔不断なのも袁紹の特徴だ。 これに対し、曹操は、自身の実力の見方には謙虚さを備え、よい人材を歓待し、部下の声をよく聴き、自身でも戦略を熟考する。従って、曹操の軍は着実に実力をつけていくとともに、軍の統制がとれている。 そして、皇帝(献帝)を自軍に迎え入れ、皇帝を守るために戦をするという、いわば官軍的な立場に徹しているのも曹操軍の大きな特徴だ。 宮城谷氏は、本書の中で、袁紹のことを「百戦九十九勝の項羽」と似ているとして、その謙虚さに欠ける点も項羽と同様だと指摘していた。 また、「大差が生じるのは決断においてである」とし、「人の和は作ることができる。地の利も得ることができる。だが、天の時は求めてもつかむことができず。与えられたときに受け止めるしかない。」等と、天の時をとらえることができない袁紹の優柔不断な点についても指摘を加えていた。 この第5巻の最終部では、袁紹軍10万と、曹操軍5万の全面直接対決となる。いわゆる「官渡の戦い」である。勢力では圧倒的に袁紹軍が有利であったが、結果として曹操軍が大勝することとなる。 この全面対決の序盤は袁紹軍の猛烈な射矢の攻撃で、曹操軍はかなりのダメージを受けてしまうが、粘りと知恵の曹操軍は、土壇場で発石車(石を飛ばすマシン、つまり大砲の元祖)を編み出し、大逆転劇を演じるのである。第5巻のもっとも痛快なシーンである。 さらにここで関羽の「義」熱きドラマがみられる。 劉備玄徳の有能な武将であった関羽だが、劉備が曹操に攻め込まれたときに、丸腰で袁紹のもとに逃げ込み、その際に関羽は曹操軍の捕虜として捕獲されてしまう。 部下を捨てて逃げる情けない劉備。敵将であっても有能な人材であると判断すると優遇する曹操。捕虜になっても劉備への忠義を尽くす関羽。その心を理解する曹操。 関羽は、曹操軍を去るには、曹操の敵将(顔良)の首をとることが必要と、数騎で敵陣に乗り込み、みごとに首を持ち帰る。そして、さっそうと曹操軍をを後にし劉備のもとへ向かうのである。関羽の惚れ惚れするシーンである。 しかし、それを引き留めず、逃がす曹操もまたカッコイイのである。 この後、あの孫策は、なんと流れ矢にあたってあっけなく命を落とし、その勢力は孫権に引き継がれる。袁紹とともに、袁術も姿を消す。勢力マップは大きく変化した。
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曹操はついに立って天子を奉じることにし、洛陽に帰る。 呂布、公孫瓚、袁術らが舞台から姿を消し、袁紹との官渡の戦いが始まる。 <amazon商品詳細より> 官渡の戦いで、曹操が袁紹を破る。 曹操と袁紹の違いがくっきりと描かれている。 人の才能を良く見極め、適材適所に使い、最大限の...
曹操はついに立って天子を奉じることにし、洛陽に帰る。 呂布、公孫瓚、袁術らが舞台から姿を消し、袁紹との官渡の戦いが始まる。 <amazon商品詳細より> 官渡の戦いで、曹操が袁紹を破る。 曹操と袁紹の違いがくっきりと描かれている。 人の才能を良く見極め、適材適所に使い、最大限の力を引き出す能力を持つ曹操。 それに対し、人の話に耳を貸さず墓穴を掘る袁紹。 一方で孫策は一気に勢力をに広げつつも 非業の死を遂げることになり弟の孫権に引き継いで退場。 これで三国志のメジャー級が一気に顔をそろえたという感じ。
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