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一九七二 「はじまりのおわり」と「おわりのはじまり」 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋/文藝春秋 |
発売年月日 | 2006/04/10 |
JAN | 9784167679798 |
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商品レビュー
3.9
12件のお客様レビュー
期待どおり
期待どおり適確で明快な内容。
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連合赤軍の浅間山荘事件、ニクソンの中国訪問、グランドファンクレイルロードの来日、頭脳警察とはっぴいえんど、ぴあの創刊と拡大、これらの同時代に発生したテーマを雑誌記事を丁寧に引用しながら横断的に論ずる。こんなことができるのは坪内祐三だけだし、しかも淀みなく読ませる文章力はとても優れ...
連合赤軍の浅間山荘事件、ニクソンの中国訪問、グランドファンクレイルロードの来日、頭脳警察とはっぴいえんど、ぴあの創刊と拡大、これらの同時代に発生したテーマを雑誌記事を丁寧に引用しながら横断的に論ずる。こんなことができるのは坪内祐三だけだし、しかも淀みなく読ませる文章力はとても優れていると思う。 もっと早く読むべきだったし、もっと長く書き続けてもらいたかったな。 まだ未読の本がたくさんあるのはうれしいけど、コロナ禍における大相撲とか、いろいろ書いてもらいたい出来事が毎日起こってるよ、ツボちゃん!
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1972年に時代の切断線を引くことができると著者は主張し、そうした観点から当時の社会や文化の動向を読み解いています。 当時の雰囲気を直接は知らなくても、古い時代の終わりを象徴する連合赤軍事件と、新しい時代のはじまりを象徴する雑誌『ぴあ』の創刊がともに1972年の出来事だと聞くと...
1972年に時代の切断線を引くことができると著者は主張し、そうした観点から当時の社会や文化の動向を読み解いています。 当時の雰囲気を直接は知らなくても、古い時代の終わりを象徴する連合赤軍事件と、新しい時代のはじまりを象徴する雑誌『ぴあ』の創刊がともに1972年の出来事だと聞くと、1972年が時代の転換点だという主張に納得できるような気がしてきます。ただし本書は、そうした時代の変化を客観的に論じるのではなく、14歳にしてジャーナリスティックな鋭敏さをもっていた「坪内少年」の目から見られた時代の動きが語られているところに特色があります。文化評論としては客観性に欠けるのかもしれませんが、当時の体験をもたない読者としては、それぞれの事件や流行が身近に感じられて、おもしろく読むことができました。 1972年頃に『ぴあ』が月刊誌から隔週誌へと変わったことで、ハレとケの区別が失われ、田中角栄内閣のもとで地方の個性が失われていったと著者はいいます。そしてこれこそが、本書の冒頭で述べられている、若い世代と歴史感覚の断絶が生じた理由の一班となっているように思われます。日本中がひとつのものに熱狂する時代が終わり、人びとがもはや同時代の感覚を共有することができなくなった時代、そして、歴史の変化に普遍的な意味づけを求めることが無意味になった時代が今なのだと、おそらく著者は考えているように思います。
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