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帝国陸軍の“改革と抵抗
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帝国陸軍の“改革と抵抗" 講談社現代新書

黒野耐【著】

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帝国陸軍の“改革と抵抗

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社/講談社
発売年月日 2006/09/20
JAN 9784061498594

帝国陸軍の“改革と抵抗"

¥110

商品レビュー

3.2

6件のお客様レビュー

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2024/05/19

現代人の仕事に於いても、プロジェクトを成功に導き、狙った目的を達成するためには、方針、目標設定、進め方が明確かつそれを実行可能なリソース(体制や資金)が充分に揃っているかに掛かってくる。勿論後者のリソースがいつも必要十分であるとは限らないから、その時々の会社の状況だけでなく、社会...

現代人の仕事に於いても、プロジェクトを成功に導き、狙った目的を達成するためには、方針、目標設定、進め方が明確かつそれを実行可能なリソース(体制や資金)が充分に揃っているかに掛かってくる。勿論後者のリソースがいつも必要十分であるとは限らないから、その時々の会社の状況だけでなく、社会情勢などの正しい把握と認識がなければ、プランはいつも絵に描いた餅となってしまう。私のような小心者は何をするにも反対・抵抗勢力にプラン自体を邪魔されたくないから、なるべく平時は大人しく下手に振る舞い、自身の身(時間や体力)を削ってでも、周囲に協力的に活動し続け、その時が来れば温めていた考えを一気に解放する、といった動き方を徹底している。それが必ずしも上手くいくとは限らないが、特に緊急事態における対応では、中々上手くいっているように思う。とは言え平時の企画や構想では慎重になり過ぎて、時間をかけ過ぎた挙句、いざ実行のタイミングを見計らって表に出そうとした際には、多くは時勢を読み違えて機を逸しているなんて事も多くある。要は機動力に欠けている。 話は逸れたが、現代の会社組織に於いても、会社の方向性をよく理解し、それに必要な自身の組織の在り方や方向性を定め、期間とリソースを配分しながらタスクを着実にこなしていく為には、それに見合う能力のある人材を集め、意思統一された状態を如何に作るかが常に課題となる。特に中期計画などに改革的な要素を盛り込む必要があれば、既得権益に侵された抵抗勢力や反対派をどの様に処理・対処出来るかがプランの要となる。 我が国が先の大戦で敗北し、多くの国民に悲しみや痛みを強いる結果となったその背景には、不統一な軍部の動き方と、国民理解を醸成する為に嘘偽りの情報を流し続けた政治の在り方に大いに問題があったことは明確だ。それに至る明治維新後の国づくりに於いても、前述した様な自己保身や既得権益への執着など、凡そ国家戦略に関係の無い一部の人間の思惑がマイナスに作用してきた事は間違いない。近代国家が戦争を用いてその発展を遂げてきたのは間違いないから、日本も日清・日露戦争、満州事変にあたるまでの軍部の在り方などが国家の命運を分けてきたとも言える。 近代国家に必要な戦争能力とは何か。どこを仮想敵国とみなして、どの様な対応戦略をベースに置くか。積極的に打って出るか、保守的に守りを固めるか。その実現にはどの程度の軍隊を設置し、その構成、兵力、武器は何を用いるか。更には国家の経済、産業、技術力、資源確保をいつ迄にどのレベルにしておかなければならないか。国家総力戦という言葉が、第一次大戦以降に重要なキーワードとなってくるが、正に国家総動員体制ともなれば、軍の在り方だけでなく、それを支える経済や国民の意識なども改革が必要となってくる。 本書はそうした明治維新以降の我が国主要な戦力を構成してきた「帝国陸軍」の改革と、前述したような抵抗勢力について紐解いていく。結論を出して仕舞えば、誰もが理解する様に、無謀にも太平洋戦争で圧倒的国力差のあるアメリカに挑み、最後は原子爆弾まで投下される日本の同組織の改革は上手くいっていなかった、という話になる。その流れは我が国が近代国家を目指して近代的な軍隊を作ってきた当初から遡ってみていくのが理解への近道である。 本書を読み進めると最初に私の実例にもみえるように改革への抵抗勢力へ如何に対処していくかが鍵となる様だ。さらに時期を逸せず、当初の目的をぶらさずに成功に導くには、圧倒的に高い能力を持つリーダーの存在が欠かせない。少し間違えば実行しても玉虫色的で効果の薄い(時には意味が無い)施策に陥ってしまう。そうならない為にはリーダーの信念や勇気がものを言う。本書で主に採り上げる改革は3つ。それぞれ桂太郎、宇垣一成、石原莞爾の3人を中心に進められていく。個別には書籍などでよく知る人材ではあるが、明治大正昭和と続く陸軍改革の大きな流れの中で、それぞれがリーダーとしてどの様に小舟を漕いでいくのか、連綿と続く我が国の歴史の水の流れを、もっと大きな世界情勢の大河と合わせて理解するには良い。 またここで述べられる内容は今まさに会社組織で働く私たちの行動にも十分生かされると思う。

Posted by ブクログ

2017/01/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2006年刊。改革は難しい。本書は「官僚制度・運営の改革」の成否に関して、歴史的な参考例を見出すべく、戦前陸軍の改革のうち、成功例①山県有朋、桂太郎主導の軍令・軍政改革、失敗例②宇垣一成の軍政・粛軍改革、失敗例③石原莞爾の参謀本部改革を挙げ、その成否の分かれ目を描述しようとする。内容はそれほど新奇ではないが、改革成否の実例分析をまとめているのが本書の特徴か。ただ、小泉改革礼賛のきらいがあり過ぎ、その功罪を分析なく手放しで是としているのは、どうかと思う。著者は武蔵野学院大学国際コミュニケーション学部講師。 本書の長所は、各改革の前座を割合詳述している点と関係性に意を払っている点か。ちなみに、小泉改革も同様で、その前座たる橋本行政改革、小渕政権の功罪を念頭に置くべきはず。なお、著者は元防衛庁戦術研究所教官。

Posted by ブクログ

2015/01/10

弟くんの本棚からの強奪品。 とりあえず、読み終わった、ッて感じ? とにかく、人の名前と所属派閥が覚えられん! 要再読。 ただしもう一度読むときは大学入試勉強並みにノート作って暗記力を最大限発揮せねばならない…。

Posted by ブクログ

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