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大統領の最後の恋 新潮クレスト・ブックス
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
| 発売年月日 | 2006/08/31 |
| JAN | 9784105900557 |
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大統領の最後の恋
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大統領の最後の恋
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商品レビュー
3.8
15件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
個人に焦点を当てているので「大河小説」とは言えないかもしれないが,主人公の1)ソ連崩壊前後,2)政治家として地歩を固めた時期,3)大統領時代,という足掛け40年ほどが舞台で,この3つの時代を順繰りに描く,という構成がキモの小説である. 若い時には全く野心なく,いわば周りに流されて生きてきた主人公が,そのままなぜか流れにのって,大統領を務めている.特に舞台はウクライナである.問題は山積みで,主人公は確固たるビジョンもなく,日々の問題の処理に背一杯である.この大統領時代がメインストーリーなのだが,伏線となる過去の2つの時代を並行して描き,その伏線が最後に回収される構成は見事である. -------- 「私は補佐官から花束を奪い取ると,二人の方にかけだした.幸福のあまり今にも大声で泣き出しそうだ.」 「私たちは抱き合い,仲良く歓声を上げた.いや,正確に言うと,歓声を上げたのは彼女たちで,私は幸福のあまり泣き出してしまった.」 -------- タイトルの「最後の恋」の相手は,この人だったのか! 「そして私は決心した.自分が幸せでいる間は,国も幸せを感じられるように全力を尽くそう,と.」
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キエフに住むセルゲイ・ブーニンの成長日記、半生記。14歳から54歳まで、日記体ではないけれど、物語が3つの時間軸で日付け入りで交互に語られるので、読み進めるうちにこの日の出来ごと、みたいな感じになってくる。 1975年5月、14歳、繁華街で飲んで歩いて高層のフルシチョフ時代に建...
キエフに住むセルゲイ・ブーニンの成長日記、半生記。14歳から54歳まで、日記体ではないけれど、物語が3つの時間軸で日付け入りで交互に語られるので、読み進めるうちにこの日の出来ごと、みたいな感じになってくる。 1975年5月、14歳、繁華街で飲んで歩いて高層のフルシチョフ時代に建てられたボロい団地に帰る、として登場。え14歳で飲む? 次は2015年、「大統領閣下」として登場だ。その間ソ連が解体し、ウクライナが独立し、なんだか流されるように、前に現われる道に素直に進んだ、という感じだ。 ソ連体制下、独立直後も物資は欠乏がち、住居もその筋の知り合いがいるかどうかで決まる、こんな中、たくましく生きる術を備えているのは、セルゲイの母だなあ、という気がした。軍人の夫を早くに職場の事故で失くし、セルゲイたち双子をともかくも育てる。 発表が2004年で、1975年から2016年の出来ごとが語られるので途中からは書かれた時点では未来の出来ごとになる。2022年に読んでる今はすべて過去のことで、しかもとんでもない状況になっているのだが、ささやかな人生があった、というのがとつとつと語られる。 大統領としての生活部分は、政情不安で、ロシアに気遣いつつ、政敵との抗争、それに自身の心臓手術が実は大変なことだった、というけっこうミステリーサスペンス的なことが最後に明らかになり、この謎がなにかとても映像的でおもしろかった。 しかし、おもしろいのはやはり10代から20代の少年時代。できちゃった婚、双子の精神障害の弟、たくましい生活力のある母親、命の恩人の老人。そしてソ連の崩壊ってどういう感じだったのかな、と思うのだが、90年5月、セルゲイ28歳、この国はなにか様子がおかしい、バターもまともな石鹸も無いというのだが、母親はどこかから手に入れてくる。セルゲイの職場は共産青年同盟のカフェだ。 91年12月、セルゲイ30歳、命の恩人のダヴィッド老人は「ざまあみろ」というような態度で迎える。 そして92年5月、そのカフェの同僚は一旦アメリカに行き、戻って会員制レストランを始め、セルゲイはその支配人となる。 1975年-1992年、2002年-2005年、2011年-2016年の3つの時間が交互に描かれる。 作者のアンドレイ・クルコフは1961年生まれなので、主人公と生年は同じだ。クルコフ氏はサンクトペテルブルグ生まれ、3歳でキーウに移り、キーウ外国語大学卒業。出版社勤務、オデッサでの兵役を経て、小説を書く。 著者の前田氏はクルコフにキーウで会った。ロシア語で執筆するウクライナの作家、という微妙なたち位置だが、クルコフは8カ国語を話し、日本語も学んだが使うことが無いので忘れてしまったそうだ。夫人はイギリス人だが、家庭では英語、ウクライナ語、ロシア語が飛び交っていたという。 2004発表 2006.8.30発行 図書館
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そもそも「ロシアのウクライナ侵攻」に暗澹たる気持ちになり、せめても「ウクライナの国の小説は?」と検索、もう20年以上前に『ペンギンの憂鬱』でベストセラー作家となっていたクルコフに、たどり着いたのでした。(例によって知らないことのなんとおおいこと!ゴーゴリもウクライナ出身とか) ...
そもそも「ロシアのウクライナ侵攻」に暗澹たる気持ちになり、せめても「ウクライナの国の小説は?」と検索、もう20年以上前に『ペンギンの憂鬱』でベストセラー作家となっていたクルコフに、たどり着いたのでした。(例によって知らないことのなんとおおいこと!ゴーゴリもウクライナ出身とか) 前田和泉氏翻訳の600ページ越えの分厚い本で、複雑なれど一気読みするくらいおもしきユーモアに富んだ物語。 複雑というのは、解説にもあるがこの作家が「ロシア語で執筆するウクライナの作家」なるが故にウクライナという国の政治事情や社会情勢における立場が浮き彫りに。そしてこの小説構成の重層化(青年期、中年期、老年期のパートにわかれて章が進む)が、最初は少々ややこしいのですが、慣れてくるとそれがなおおもしろくしているのだとわかる。 語り手のセルゲイ・ブーニンという主人公、女好きで吞み助でチャラチャラしているけれども、本当は母子家庭の母親や障害のある弟思いの正直真面目な好青年で、ウクライナという国の歴史に沿って生きていく。ソ連時代から崩壊をへて建国に遭遇、大統領にまでなってしまったのに、身辺の寂寥は埋まらない…というのがストーリー。 フィクション好きなら、なるほどウクライナの複雑難儀な事情が解ろう小説だ。そう、おもしろうてかなし。主人公は普通に幸せになりたい。普通に幸せとはなんだ?国があって、食べることが出来て、住む家があって、愛する家族が泣いていないこと。人間は身の丈だけしか要求してはいけない。そうしなければ普通の幸せは来ない。
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