大前研一 新・経済原論 世界経済は新しい舞台へ

大前研一【著】, 吉良直人【訳】

• 販売会社／発売会社: 東洋経済新報社/東洋経済新報社
• 発売年月日: 2006/09/14
• JAN: 9784492521601

商品レビュー

2024/06/27

(2006/9/19)
すべては変わった！
大前研一の戦略眼・世界観を
凝縮した１冊。

　BBTのIさんから戴いた本。ありがとうございます。

　2005年に大前氏が英語で執筆した本の日本語訳である。翻訳がやっと出た。
　もう2年近く前の著作だが、内容は陳腐化していない。むしろ現実が予言に近づいている。

　原題のThe Next Global Stageからすると不思議な訳　新・経済原論　と思っていたが、読んでいてなるほどと関心した。
　アダムスミスやケインズらの時代の経済原論は、見えない大陸が存在する現在では何の価値もない。この本に書かれているような、インターネットを介したグローバル社会における経済をしっかり捉えなさいということでこの訳がついたものと判断。

　中途半端な「国」という単位、「都道府県」という単位。
　上海など「中華連邦」の成功を受け、道州制（自民党総裁選でいわれるようなちんけなモノとは違う）により経済単位を最適化すること。さらに、アジア、ヨーロッパ、アメリカという単位で共通通貨、関税撤廃などゆるやかに結びつくことが同時に必要なことをうたっている。
　既成概念が崩れる。
　だからこそ新・経済原論。

　事例に基づき理論化する書き方は見事。ダイナミックに読むことができた。

2006/10/8
大前ライブ公開録画
ＢＢＴ（ＣＳ757）放送8周年記念の大前研一ライブの公開録画が六番町の大前＠Ｗｏｒｋであり、ハスラーさんを誘って見にいった。ＢＢＴに若干協力している関係で参加できたものだ。
私はいつもストリーミング放送を倍速で聴いているのだが、アシスタントの森田さんは実物のほうが美しかった。
大前さんはいつも以上にはじけてた。
「道州制は私が生きているうちは実現しないだろうから、建物のレンガに埋め込んだ。怨念だ。」とおっしゃっていた。
総論賛成各論反対で、４７都道府県知事、許認可を得ている放送関係が猛反対するということだ。
既得権が発展を邪魔する。発展というのは、道州制によって日本の都市が中国上海などのような国際的に戦える都市の単位になって初めて実現するというものなのに、そうはいかないのだ。
実現していくためには、皆が問題発見解決の考え方を見につけること、そのために大前さんは教育に力を入れているという。
私も違う形ながら、日本をよくするために協力していきたい。
自分で考えることだ。

2021/02/23

ずっと積読してしまっていたこの本を2021年に読んだ場合どう感じるのか、との観点で読んでみた。
リーマンショック、東日本大震災、中国の膨張、トランプ政策、コロナ禍・・・いろいろあったが、今でも思った以上に論旨が有効であるどころか、より加速している部分も多い。強いて言えば、アジア、BPOに加えAIもあること。そして、ゼロ年代の空気とは違い世界的な断絶の時代であることが、環境の違いと言えるか。そうした場合においても政府や企業の基本政策は、本書の記述内容とさしてかわりはないように見える。

2015/06/08

結果論的に当たり外れを指摘することに意味はない。やはりこれだけのスケールの広さと洞察の深さでグローバルを語れる日本人は著者以外に考えられない。