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きりたおされたき 武井武雄絵本美術館
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | フレーベル館/フレーベル館 |
発売年月日 | 1998/04/14 |
JAN | 9784577018903 |
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きりたおされたき
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きりたおされたき(武井武雄絵本美術館) 1998年(オリジナルは1975年) 武井武雄・絵 吉田絃二郎・原作 宮脇紀雄・再話 『時代をこえて 今、ここによみがえる 武井武雄の世界!』ということで、オリジナルから23年ぶりに発売された当時の子どもたちには、どのような世界が見えた...
きりたおされたき(武井武雄絵本美術館) 1998年(オリジナルは1975年) 武井武雄・絵 吉田絃二郎・原作 宮脇紀雄・再話 『時代をこえて 今、ここによみがえる 武井武雄の世界!』ということで、オリジナルから23年ぶりに発売された当時の子どもたちには、どのような世界が見えたのだろうか? 前回読んだ、「ジャックとまめのき」同様、本書でも、草花たちに表情があったり(今回は意味があります)、その特徴を思いきり強調したような、可笑しみのある殿様や家来達の表情であったりと、子どもを楽しませる要素を含ませているのは、とても大切なことを教えてくれる物語の世界に、のめり込んでほしい意図があるからだと、私は感じました。 殿様が城を直すために、立派な木をたくさん望み、その為に家来達は、木こりを連れて出かけたところ、大きなくすのきを見つけて、それを切り倒そうとしますが、その途中で昼休みをとります。 おひるになりました。 べんとうを たべて ひとやすみです。 くすのきは きられても、 きこりに ひかげを つくって やりました。 やさしい くすのき。 けれども、きられた えだが ふるえました。 そして休憩後、作業を再開し、くすのきは切り倒されてしまい、宿を無くされた小鳥はその哀しみに、非難の叫びをあげます。これだけ読むと、くすのきもひとつの命を持った存在であり、しかもその恩恵を受けておきながら、木こり達は、なんて理不尽な事をするのだろうと思われるでしょう。 木こり達も問題ですが、ここで大きく取り上げているのは、くすのきの下にいる草花たちであり、彼らは激しい夕立から守ってもらっておきながら、その一方で、枝を空いっぱいに広げて息が詰まりそうだとか、月が見えないとか、くすのきに対して、ひそひそと不満を呟きあっているのです。 そして、実際にくすのきが切り倒されてしまったときは、「いなくなって、せいせいした」とまで言う始末で、これでは、くすのきがあまりに可愛そうに思えますが、結末は自業自得という言葉が相応しく、くすのきについては、日頃の行いが報われた、望みのある終わり方になっており、ほっといたしました。 しかし、私が最も気になったのは、草花たちのような、第三者が客観的に見て、明らかに矛盾していることが分かるような考え方を、本人達は全く自覚していないことの恐ろしさであって、これは単に我が儘なだけだと言うことも出来そうですが、夕立から守られた時に、ありがとうの一言や、それに対する感謝の気持ちを微塵も感じさせない、草花たちのこの感覚って・・まるで、人間関係に擬えているようにも思われて、これを子供心に知って欲しいという願いを込めて、武井さんはこの作品を選んだのではなんて、私は思ってしまうのです。 それから、武井さんの子どもに対する本気の思いを、やはり絵の端々に感じられて、表紙のくすのきを見るだけでも、彩り豊かな葉っぱの絶妙な配色に芸術性の高さを感じますし、本文においても、月夜に映える真っ黒なくすのきは、まるで影絵のような美しさであり、夕立の場面では、くすのきの描き方を大きく変えて、その雨粒を全て受け止めてくれそうな頼もしさを感じさせるし、くすのき以外においても、丸太にされたくすのきが流されていく場面の美しい谷間の風景であったり、嵐が止んだ翌日の太陽の表現が、他のそれとは異なり、お釈迦様のようなお顔をされていたりと、絵柄を子どもに合わせるのではなく、対等に向き合って描いているから、大人が見ても、はっとさせられるものがありますし、子どもたちも、それを真剣に受け止めてくれるのだろうと思いました。 そして、本書における芸術性の極みと感じたのが、扉絵の日時計で、これが、武井さんの木版画の『日時計』とよく似ており、武井さんの本気、まさにここにありと感じました。 ちなみに、本書の奥付に、武井さんの詳しいプロフィールが載っていまして、1924年、銀座資生堂にて、『武井武雄童画展』を開催し、この時初めて、子どものための絵を『童画』と呼び、以後、一般的に広く使われるようになり、童画家、版画家、童話作家、造本作家など多彩な顔をもち、139冊になる『武井武雄刊本作品』は、芸術的にも高い評価を得ており、画集『武井武雄作品集一・童画』で1975年ライプチヒの『世界で最も美しい本』賞グランプリ受賞。1959年に紫綬褒章、1967年に勲四等旭日小綬章を受ける。 ・・・と、実は私が思っていたよりも、凄い方だったのだと改めて実感しまして(失礼ですみません)、今後も可能な限り、武井さんの作品を追いかけていきたいと思います。
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