ITイノベーションの実証分析 日本経済のパフォーマンスはどう変化したか 経済政策分析シリーズ11

元橋一之(著者)

• 販売会社／発売会社: 東洋経済新報社/東洋経済新報社
• 発売年月日: 2005/03/17
• JAN: 9784492394380

商品レビュー

2012/09/19

IT革命の問題点は、その効果が見えないことです。当初言われていたようなものではありませんが、世の中を大きく変えたという実感があります。ただし、アメリカの統計資料を見ると、IT革命は、労働生産性にマイナスの影響を与えています。我々の実感が間違っているのでしょうか。それとも、統計上の不備が、IT革命を過小評価しているのでしょうか。ミネソタ連邦銀行の研究者であるMcGrattanさんは、人的資本について考慮する必要が在ると指摘している。他の産業と比較して、IT産業は、人的資本を必要とする。IT革命以後、人的資本は急激に増加している。しかし、人的資本は、労働生産性を計測する場合には、無視される。そのため、IT革命以後、労働生産性が低下しているように見えるのだ。つまり、人的資本を考慮すれば、IT革命以後、労働生産性は急激に上昇していると指摘している。間違ってはいないと思いますが、証明するのは難しいでしょう。

2010/06/04

日本のソフトウェア市場の特徴として、受注ソフトが中心でパッケージソフトが少ないとよく言われる。
ネットバブルの崩壊にともなって、インターネット関連無事ネスの可能性は限定的であるという見方が広がる一方で、無線LAN技術の発展によってITイノベーションの適用分野に広がりを見られる。このようにIT産業のイノベーションや生産性が一気に減速することは考えにくいが今後10年となるとその予測は難しい。