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十五人の黒沢明 出演者が語る巨匠の横顔

ぴあ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 ぴあ/ぴあ
発売年月日 2005/03/19
JAN 9784835615370

十五人の黒沢明

¥770

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2020/04/04

ちょっと補足説明を…。

この本が出版される数年前だったと思うが、日本映画界の著名人の伝記漫画が出版された。 その中の黒澤監督の伝記本について、「一部に真実では無い内容が描かれている」と言う理由で、出版社と遺族側で訴訟沙汰にまで発展したトラブルがあったと記憶している。 自分はその漫画を、そんなゴタゴタ...

この本が出版される数年前だったと思うが、日本映画界の著名人の伝記漫画が出版された。 その中の黒澤監督の伝記本について、「一部に真実では無い内容が描かれている」と言う理由で、出版社と遺族側で訴訟沙汰にまで発展したトラブルがあったと記憶している。 自分はその漫画を、そんなゴタゴタが起きている事も露知らず、出版当時に書店で購入して読んでいた。 問題となったのは、 黒澤監督が「トラ・トラ・トラ!」の製作時に様々なトラブルを抱えた挙げ句、製作元の20世紀FOXが彼を解任し、全く別企画としてスタッフやキャストも一新し、再撮影と成った事件の顛末部分であった。 監督の完璧主義な製作方針と、黒澤氏とは初対面の東映京都撮影所のスタッフとの間で、意思疏通がままならず多くの軋轢が生じた部分で、遺族側が「真実とは異なる」と訴えたのである。 漫画の作者側も、様々な取材や調査を重ねて描いていたので、頭から否定される事は納得出来なかったのだろう。巻末にも係争中の旨、記載が残っていた。 しかし、自分はその漫画をとても興味深く、そして楽しく読了した。 それは、自分が黒澤監督の完璧主義を事前に知っていた為であり、「それを飲み込めないスタッフ等と映画を撮ると言う事は、殆ど無謀だ」と、容易に理解出来たからである。 絶えない衝突により黒澤氏も憔悴し、アルコールと睡眠薬を常用せねばならず撮影は中断し、解任後には自殺未遂事件を起こしたことも知っている。又、確かに日米を跨いだ超大作企画であったが故に、非常に多くのスタッフが関わっており、日米間の意思疏通の齟齬をもたらしたのは誰なのか、と云う点で、多くの謎が残っていたのも又事実であろう。 ただ、こうした事実を解っていれば、漫画内での描写が「理解出来なかったスタッフ側からの証言」にも配慮している故の事も理解できる筈である。沢山の出入りするスタッフの誰がどう動いたか等は、煩雑過ぎて漫画では描ききれない部分も有っただろう。 確かにその部分だけ、人が変わったように恐ろしい形相で黒澤氏が描かれていたのも事実だ。 その後、その本は絶版に成り、今では入手困難であると思われる。 そして、そのような経緯を経て、「黒澤明天皇説(=彼は我儘だと言う揶揄)」は全くの誤謬であると主張したい遺族側が、この本を企画したのだろうと推察されるのである。 その証拠に、インタビューの質問も回答も明らかに「黒澤さんはそんなに恐ろしい人では有りませんよ」と言うやり取りが、不自然なほど多く交わされているのだ。 多くの関連本を読んできた自分からすれば、「そんなに庇わなくても、黒澤さんを悪く思っている人なんて居ませんよ。あの漫画を読んで誤解する人も殆ど居ないでしょう」と言いたくなった。 それは漫画の中にも描かれていた。「あの人の、あの優しい笑顔を見たいから、自分達は寸暇を惜しんで、厳しい要求に応えるため努力するのだ」と。 このインタビュー集は、その様な経緯を理解した上で、是非読んでいただきたい。そうしないと、一部の俳優の中に、最近のインタビューで語った事と、異なる話しぶりをしている人が居るからである。その方も、この本の企画趣旨を伝えられ、その様に答えているのだと思う。 「この役者は、この前に読んだ本と違う話をしてるじゃないか」と云う余計な疑問を、後の読者に抱かせない為にも、長文ながら解説させていただいた。 これも一重に、自分が黒澤明という偉大な映画監督を、限りなく尊敬しているが故の事であり、この本が一読に値する物であることは間違いない。 又「トラ・トラ・トラ!」のトラブルの顛末を詳細に調査した本は、数年前に大書ながら別途出版されているので、興味の有る方は是非そちらも当たってみていただきたい。 最後にもし事実と異なる点が有れば、当方の記憶違いも考えられるので、その節にはお詫びする。

左衛門佐

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