実学入門 不景気に効く会計 会社の問題をみつける財務会計編

田中靖浩(著者)

• 販売会社／発売会社: 日本経済新聞社/
• 発売年月日: 2003/03/25
• JAN: 9784532310431

商品レビュー

2019/05/11

受領：2004年4月23日　役員研修　赤坂プリンスホテル　読了：2004年4月23日
廃棄：2019年5月11日

2011/06/07

田中靖浩著「不景気に効く会計」日本経済新聞社（２００３）
＊売上〜利益〜資本利益率と会社の良い悪いを判断する経営指標にやっとたどり着きましたが、問題が出てきました。それはROAやROEではわかりにくく、従業員に達成感がないということです。
＊会計ビックバーンのスケジュールは２０００年に（１）連結決算（２）キャッシュフロー計算書（３）税効果会計、２００１年に（１）金融商品の時価評価（２）退職給付会計、２００２年に持ち合い株式に時価評価、２００３年に減損会計、というように導入されていきました。
＊連結の基準ですが２０００年ルールの改正後っでうあ、実質支配力基準というルールによって決定されるようになりました。連結子会社は親会社が経営に支配力を持って胃いる会社（株式の過半数を有するなど）、関連会社は親会社が経営に重要な影響力を持っている会社（株式の２０％〜５０％を有するなど）です。
＊ソニーは２００２年で連結決算書に１０６８社の子会社と９８社の関連会社を連結させています。これは日本最大規模の会社数です。
＊会計の一番の課題とは、「経営の投資とリターン」を大きくとらえることです。BSの右側は負債と資本の二種類の方法によって会社がどれだけのお金を調達してきたかを示します。次にその集めたお金を何に投資してきたか、という現段階での運用の状態が表されます。これまでの投資が性向してそれを上回るリターンを生んでいれば、剰余金がでます。また投資が失敗してリターンが得られなければ欠損金が出ます。
＊会計は１９３３年の大恐慌からはじまりました。減価償却や信用取り引きへの対応など、PLには無数の複雑な規定がおかれています。しかし大恐慌以降、連邦証券法と銀行法、１９３４年には証券取引法を新たに制定して金融制度の改革に全力をあげました。これらの法律に共通するのは「投資家への情報開示を徹底させる」ということです。その精神のもと決算書をつくるための会計ルールが社会的に作成され、公認会計士、監査制度が世の中に登場しました。
＊キャッシュフローは利益が複雑に進化していったことへの反動として、会計が原点回帰する流れであります。
＊どの利益をみれば良いかという質問に大しては、ケースバイケースになりますが自分が思うに（１）当期純利益（２）営業利益、になります。なぜ、当期純利益かといえば、それが経営の結果を一番正直に表すためです。その部分の費用とするかについての判断を排除した結果です。特別損失に関しても反映することができます。また営業利益は、経営上の問題点を発見するための宝庫だからです。
＊会計は使われる物ではなく、使う物であります。

2010/03/25

会計の入門書であるが、一番最初に読むべき本ではないかもしれない。わかりやすい文章で、会計のアウトラインの部分をある程度知ることができるかもしれないが、基礎は身につかない。基礎を身につけた上で、そういう見方もあるんだな、という気づきを得るために読む本なのではないだろうか。