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生き物をめぐる4つの「なぜ」 集英社新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2002/11/14 |
JAN | 9784087201680 |
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生き物をめぐる4つの「なぜ」
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商品レビュー
4.1
23件のお客様レビュー
20年前の本。最近の長谷川眞理子先生は比較的大きなテーマについて語ることが多いように感じるが、細かい話も面白い。 ◯面白かったところ ・北アメリカのホタル「フォツリス」は別種のホタルの発光パターンを真似ることでそのホタルを誘引して捕食する。捕食対象種のホタルも「フォツリス」の発...
20年前の本。最近の長谷川眞理子先生は比較的大きなテーマについて語ることが多いように感じるが、細かい話も面白い。 ◯面白かったところ ・北アメリカのホタル「フォツリス」は別種のホタルの発光パターンを真似ることでそのホタルを誘引して捕食する。捕食対象種のホタルも「フォツリス」の発光パターンをある理由から真似ることがある。 ・ホタルイカのカウンターシェイディング
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【読書前メモ】 広くは生物学、具体的には動物行動学や進化生物学の本書。テーマは生物をめぐる4つの「なぜ」に焦点を当てる。 「なぜ」にはどのような「なぜ」があるのか。 ①至近要因(その行動をなぜするのか) ②究極要因(その行動をするとなにがあるのか) ③発達要因(その行動はどのよ...
【読書前メモ】 広くは生物学、具体的には動物行動学や進化生物学の本書。テーマは生物をめぐる4つの「なぜ」に焦点を当てる。 「なぜ」にはどのような「なぜ」があるのか。 ①至近要因(その行動をなぜするのか) ②究極要因(その行動をするとなにがあるのか) ③発達要因(その行動はどのように完成されるのか) ④系統進化要因(その行動はどこからどういった経路を経て発達してきたのか)
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非常に面白かった! どうして生物には雄と雌の二つの性別を備えた種があるのか、どうして鳥はさえずるのか、どうして人間に道徳性はあるのか、etc...。 非常に広範かつ深遠で興味深いテーマをいくつか取り上げ、それらテーマに対して『4つの「なぜ」』即ち ①至近要因(その行動をなぜするの...
非常に面白かった! どうして生物には雄と雌の二つの性別を備えた種があるのか、どうして鳥はさえずるのか、どうして人間に道徳性はあるのか、etc...。 非常に広範かつ深遠で興味深いテーマをいくつか取り上げ、それらテーマに対して『4つの「なぜ」』即ち ①至近要因(その行動をなぜするのか) ②究極要因(その行動をするとなにがあるのか) ③発達要因(その行動はどのように完成されるのか) ④系統進化要因(その行動はどこからどういった経路を経て発達してきたのか) というアプローチで生物の謎に切り込んだ新書。 こういう授業だったら高校生物に対してもっと関心を持てただろうな。 以下、箇条書き… ・性差のおおもとの原因は、Y染色体上のSRY遺伝子があるかないか(p20) ・テストステロンは、実は、女性ホルモンであるエストロゲンを作るための前段階の物質(p22) →生物学的な性差のメカニズムは、化学物質による匙加減ひとつ ・性差は社会的に作られたものである(略)そういうものをジェンダーと呼んでいます。(p25) ・「ハンディキャップの原理」(p65) →余計なエネルギーを使って余分な進化を遂げること、裏を返せば生物として余力があるから余分な進化をする事が出来る、優れた個体であるということ。 ・フォツリス属のホタル(p104) →ホータルこい、と歌っている場合ではない、権謀術数・出し抜き出し抜かれのホタルの世界がめちゃくちゃ面白い ・好ましい社会条件も子育てを誘発する大きな至近要因の一つ(略)子どもをもつことが楽しい社会、のびのびと子育てできる環境を作ることが重要(p146) →ほんとこれ。育児が負担・ハンディキャップと取られやすい日本社会ではそりゃ積極的に子を持とうとは思い難い。政府・自治体・企業・ご近所さん・偶然電車に乗り合わせた人etc、みんなもっと子どもに寛容にならなければ。公園を潰している場合ではないと思う。 ・〈道徳性とは何か?〉自分の欲することをめざす行動が、他者の欲求や利益を妨げるとき、どのようにして自己抑制するかということ(p195) →昨今(という訳でもないけど)のいわゆる’バイトテロ’や’バカッター’、ないし考えられないような事件やトラブルのニュースに触れる度になんでこんな事のできる人がいるんだろう、と首を捻りたくなるが、この章を読むとメカニズムとして理解が出来たように感じた。結局のところ「道徳的な葛藤」「道徳感情」を働かせられるかどうかは「教育と経験」(いずれもp198)によるところが大きく、「利他行動」(p206)を取れるか否かも「自分が協力し、相手も協力してくれたときには、うれしい共感の気持ちが湧き、それが次回も協力しようという原動力になる」(p210)という想像を働かせられるか否かにかかっているように思う。現代のバーチャルが発達しすぎた社会ではこの「相手」の’リアルな存在感’が希薄だから、深く考えずに傷つけるような発言をしたり迷惑を省みない行動をしたりするのだろうな。「同じ社会の中でとどこおりなくいっしょに暮らしていくこと」(p213)という当たり前の感覚を失ったヒトは、生物学的にはもしかしたら’ヒトではない別の生物’へ進化しているのかもしれない。 8刷 2023.2.7
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