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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 徳間書店/ |
発売年月日 | 1993/02/28 |
JAN | 9784191250642 |
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商品レビュー
4
26件のお客様レビュー
高校から大学にかけての、男女の精神面での成熟の違いによるすれ違いを、男性主人公視点で語ることにより見事に表現している。 個人情報保護法の観念がなく、個人情報が本人の同意なく第三者に伝達される点や死語となった略語が多用されているところに若干違和感を覚えるものの、思春期男女の心理描写...
高校から大学にかけての、男女の精神面での成熟の違いによるすれ違いを、男性主人公視点で語ることにより見事に表現している。 個人情報保護法の観念がなく、個人情報が本人の同意なく第三者に伝達される点や死語となった略語が多用されているところに若干違和感を覚えるものの、思春期男女の心理描写が巧みで読み継がれていく価値のある本だと思う。
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令和6年8月10日日経朝刊で上田岳弘という小説家(初めて知った)が激賞して気になった本。 上田岳弘氏を調べてみたら、芥川賞受賞作家であるみたい。このところ長く文藝春秋の掲載号を買う習慣を失っていたから仕方ないか。
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望月智充監督のアニメ映画『海がきこえる』を1年とちょっと前にTSUTAYAで借りてきて初めて観て、その自分好みさに衝撃を受け、すぐに原作小説を注文して積んでいたのを、この年末年始にアニメ映画を実家で母と一緒に見返して「やっぱり好きだなあ」としみじみ思ったのをきっかけにしてようや...
望月智充監督のアニメ映画『海がきこえる』を1年とちょっと前にTSUTAYAで借りてきて初めて観て、その自分好みさに衝撃を受け、すぐに原作小説を注文して積んでいたのを、この年末年始にアニメ映画を実家で母と一緒に見返して「やっぱり好きだなあ」としみじみ思ったのをきっかけにしてようやく読んだ。 杜崎も里伽子も松野も、のびのびと育った人間で、そんな恵まれた若者たちの客観的にはしょうもない悩みや葛藤のドラマだからこそ魅力的に映るのだろう。 子供と大人の中間の、青春期の若者の風景をどこかのんびりと優しく描く手つきが好きだ。 映画版との相違点では、まず東京での里伽子との再会がまったく違う形であることに驚いた。映画の冒頭と結末に置かれた吉祥寺駅での再会はオリジナルで、原作では大学の先輩に誘われたパーティーで初めて再会し、その後で体調を崩した里伽子のアパートに行ったり、野球観戦デートをしたりしている。 高知の高校の同窓会にも(二次会からだが)里伽子は来ており、ライトアップされた高知城を見上げるシーンは2人きり(映画では里伽子ではなく他の同級生たち4人とだった。しかし松野は別クラスのはずなのになぜいたのか) 物語の結末も、里伽子と東京で晴れて再会するドラマチックで幸せなエンドだった映画版と異なり、原作は高知での同窓会に里伽子を呼んだのが松野のせいだと知り、深夜に実家で松野に電話をかけにいく場面で終わる。 場所が東京と高知で異なっているのはもちろん非常に重要だろうが、原作の締め方は里伽子とのラブストーリーよりも親友松野との男同士の関係に重きが置かれている印象を受ける。両方が好きな女子について、互いのやったことを分かち合うために電話をかけにいく幕切れには古典的なホモソーシャルの香りがする。 松野とのシーンでいえば、高知に帰省して松野の車で実家まで送迎してもらったあとで、高知の海をふたりで眺めて佇む、映画版の(爆笑ものの)名シーンが原作には無く、軽く杜崎ひとりが家から海を眺めるだけだった。 また、そもそも2人の出会いのきっかけとなる、中等部修学旅行中止の抗議のくだりも色々と変更されていた。映画では初めから杜崎と松野しか抗議の挙手をしていなかったが、小説では学年全体で数十人いるところから、だんだんと減ってゆき最終的に2人だけがあの放課後の美術室に残る仕組みで、ここでの学校や同級生や自分への苛立ちや理解といった杜崎の心理が丁寧に描かれていたからこそ、松野との運命的な出会いのインパクト、彼がいかに杜崎にとって嬉しくかけがえのないものであったかが見事に伝わってきてとても良かった。 映画版には出てこない大学3年の津村知沙は、里伽子とは違うもののやはり身勝手で恵まれすぎた悩みを抱える人物で、この作者はこういう女性キャラを生み出すのが好きなのか……笑とややウケた。 里伽子だけでなくこの歳上女性にも接近され気に入られることで、杜崎の無自覚ハーレムラノベ主人公感は映画版よりも強いが、ぼうっとした地の文(一人称)でそれが語られるのでのらりくらりとかわされて、そんなに気にならずに受け入れてしまうから凄い。 物語全体で見ると、津村さんは杜崎が東京で里伽子と再会していい感じになるために置かれたキャラクターである、と言ってしまってもそれほど間違いではなく(新婚者との不倫なんていうオトナな世界をチラ見して、自分たちの高知でのいざこざなんて大したこたないな……と杜崎に思わせる役目)、この観点では道具的なハリボテの人物ではあるので哀れだとも思う。(特に杜崎のアパートの部屋の前で待ち伏せていて、無言で1分間も背中合わせにもたれかかるシーンなんて、ドラマより、まだひどい。) スッキリ終わる映画版とは違って、こちらは全然終わり感がなく、実際に後日談も刊行されているようなのでそちらも読みたい。
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