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とはずがたり 岩波セミナーブックス104古典講読シリーズ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/ |
発売年月日 | 1992/09/07 |
JAN | 9784000042536 |
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とはずがたり
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これから「とはずがたり」を読んでみようという方には解り易い入門書。 講義録を起こしたものなので、平易で理解しやすかった。 しかし、原典を全て紹介しているのではないので 内容は落とさず紹介されているが、理解のためには 校注された原典を手元に置いて、参照しながら読むのが良い。 平...
これから「とはずがたり」を読んでみようという方には解り易い入門書。 講義録を起こしたものなので、平易で理解しやすかった。 しかし、原典を全て紹介しているのではないので 内容は落とさず紹介されているが、理解のためには 校注された原典を手元に置いて、参照しながら読むのが良い。 平安時代の古典は馴染みがあるが、中世となるとあまり読んでいず 大学で学ぶことになったので、予習として読んでみた。 「とはずがたり」は、複数の男性に愛された 後深草院二条という上臈女房の日記文学だが この作品の背景には、伊勢物語・源氏物語、 更には仏教の教養など広範で豊かな宮廷文化と文学の 素養があったことが理解される。 単に愛情生活の告白を目的とする、暴露本のようなものではなく 後見人が転々と変わっていく中、機知と魅力と流転する儚い愛情を 頼みに後宮での生活を生き抜き、退下の後は女西行と言われるように 仏道と歌道に生きがいを持った女性の、一代記として読むと また見方が変わってくる。 前半の上臈女房としての生活が華やかなだけに、退下後は落魄の イメージがあるが、作品を残したところを見れば、簡素ながらも 落ち着いた生活だったのだろうか。 奔放な女性の言い訳の本ではなくて、すべての愛や変転にも 崩れない心の高さと、それを支えた矜持と仏道への悟達を 率直に描いたルポ兼私小説と思えば、当時の女性の中でも 傑出した人であったのかなと窺えるものがある。 これ一冊で「とはずがたり」を理解するのは難しいが アウトラインを理解し、原典やさらに詳しい専門書に進むには とても良い本であった。
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