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中野重治 ちくま日本文学全集039
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中野重治 ちくま日本文学全集039

中野重治【著】

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中野重治 ちくま日本文学全集039

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商品詳細

内容紹介 内容:中野重治詩集(抄) 梨の花 より.春さきの風.村の家.吉野さん.五勺の酒.米配給所は残るか.おどる男.広重.萩のもんかきや.素樸ということ.評論家の文体.国語と方言.ハイネの橋.柳兼子さんの唱うのを私ひとりで聴く.一つの生涯.愛しき者へ より. 年譜:p468~477
販売会社/発売会社 筑摩書房/
発売年月日 1992/09/28
JAN 9784480102393

中野重治

¥605

商品レビュー

3.5

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2017/11/15

ちくま日本文学全集039 中野重治。 中野重治の作品から感じられるのは、まず「まごころ」ということです。そうして作者のその姿勢に打たれます。 「まごころ」というと、いかにも右翼的な人々が用いそうな言葉で、それを有名な左翼作家である中野重治の読後感に用いるのはおかしな気もします...

ちくま日本文学全集039 中野重治。 中野重治の作品から感じられるのは、まず「まごころ」ということです。そうして作者のその姿勢に打たれます。 「まごころ」というと、いかにも右翼的な人々が用いそうな言葉で、それを有名な左翼作家である中野重治の読後感に用いるのはおかしな気もしますが、人の世や文芸に対するとても真摯で真剣な姿勢をあらわすには、この言葉がもっともふさわしいように思います。 かれの真摯さは、なんだか石川啄木の生き方にも繋がるような気がします。中野重治は啄木のような破天荒な生き方ではなく、戦前からの共産党の活動家として、またその後の共産党批判者として、そして文学者として、それぞれの時点でその活動が国家からみて合法非合法であるかは別として、終始一環して社会の構成員としての生き方をしてきた人物だと思います。 もし啄木にもう少し社会的な適応能力があり、健康と機会にめぐまれ、長生きできていたなら、ひょっとしたら中野重治のような作家になっていたのかもしれません。晩年の啄木は、思想的にはかなり左翼的な事柄に関心を寄せていたようですから。 もちろん啄木には、大衆活動の地道や実践力や、人々の無知謬見に対する忍耐力や、組織内活動に伴う個人への統制に対する耐性があったとはとうてい思えませんから、共産党への入党なんてことは考えられませんが、その点、中野重治という人は、愚直なまでに誠実で、しかもタフな人ではなかったかと思います。 戦後、第1回目の参議院選挙に共産党から立候補してしばらく国会議員を務めたり、党の中央委員として活動したりということも、その愚直さと強さのあらわれであると思えます。またそういう逞しさがあるからこそ、啄木のような生活上の乱脈さに陥らず、ねばり強い文学活動ができたのだろうと思われます。 彼の作品を読んだのは初めてですが、共産党の元幹部が書いた作品なんて、ひからびた味気のない政治スローガンみたいなツマラナイものだろうと思ってたんですが、これがまったくの誤解で、じつにみずみずしく、文学的香気に溢れています。 彼の作品から感じられる二つ目は、文学作品としての充実ぶり、質の高さです。 たとえば田舎の冬の暮らしを子どもの目から描いた物語「梨の花」は、まるで宮沢賢治の作品を思い起こさせます。 そういう豊かな文学的才能と、政治と革命への真摯さを持った人のたどった軌跡が、中野重治の作品なのだろうと思います。 それはこの若いときの詩に込めたメッセージを、小説、評論、政治的実践と、姿や形は変えながらも、一生涯追求した軌跡であったのだろうと思います。 歌 おまえは歌うな おまえは赤ままの花やとんぼの羽根を歌うな 風のささやきや女の髪の毛の匂いを歌うな すべてのひよわなもの すべてのうそうそとしたもの すべてのものうげなものを撥き去れ すべてのその風情を擯斥せよ もっぱら正直のところを 腹の足しになるところを 胸さきを突きあげてくるぎりぎりのところを歌え たたかれることによつて弾ねかえる歌を 恥辱の底から勇気を汲みくる歌を それらの歌々を 咽喉をふくらまして厳しい韻律に歌いあげよ それらの歌々を 行く行く人々の胸郭にたたきこめ これほどの作家の発見は、この全集では、尾崎葵、金子光晴につづき三番目です。 思想的に賛同できるかどうかは別として、全作品を読んでみたくなる作家です。 あとがきの加藤典洋という人の文章もすばらしい。

Posted by ブクログ

2009/07/19

中野 重治は、知りません。 転向したプロレタリア文学者のようですね。はじめの方に載っている作品は、プロレタリア文学特有の臭いがあって、わたしにとっては、おもしろくないです。 おもしろさが理解できないのです。プロレタリア文学。 まあ、後の方の「国語と方言」とか、「ハイネの橋」とか...

中野 重治は、知りません。 転向したプロレタリア文学者のようですね。はじめの方に載っている作品は、プロレタリア文学特有の臭いがあって、わたしにとっては、おもしろくないです。 おもしろさが理解できないのです。プロレタリア文学。 まあ、後の方の「国語と方言」とか、「ハイネの橋」とかは、悪くないですけど。 なんか、イマイチでした。

Posted by ブクログ

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