原野の詩 集成詩集

金時鐘【著】

• 内容紹介: 内容:季期陰象.光州詩片.猪飼野詩集.新潟.日本風土記.地平線.拾遺集.解説 池田浩士著. 金時鐘年譜:p817～881
• 販売会社／発売会社: 立風書房
• 発売年月日: 1991/11/20
• JAN: 9784651600482

商品レビュー

2007/09/26

一昨夜未明ほとんどボーとしている中、これという番組はないかな、などと物色している時、はっきり見もしないで金・・・あっ、石範の『火山島』の新たな展開とかのルポかな、位の認識で予約録画しました。

つい先っき帰ってきて見ると、なんと「海鳴りのなかを〜詩人・金時鐘の６０年〜」というドキュメンタリーではありませんか。

御年７８歳、まだまだかくしゃくとしておられるお姿を拝見して嬉しくなっちゃいましたけれど、過ぐる１６年前、覚えてらっしゃらないでしょうね？中学１年生の私は、この詩集を読んでひどく感激して、何だか無性に会いたくなって、猪飼野まで会いに行ったのですが・・・・・ひょろひょろと痩せた少女が、いきなり目の前に現れて、あなたの詩が好きです、などと告白したものだから、さぞかし驚かれたことでしょう。

ちょうど難解な詩が我も我もと台頭してきた時期だったのでしょうか、とても新鮮でした。ただのありふれた言葉と言ってしまえばそれまでですが、言葉が言葉として真実の意味を持つこと・そして事実が明確に描写されることの強靭な意志の存在を垣間見て、詩の巨大さ・広大さを知りました。

番組中、友人として、私も大好きな梁石日（ヤン・ソギル）が出てきましたが、そういえば彼も出自は詩人でしたね。