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谷崎潤一郎 ちくま日本文学全集007
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商品詳細
内容紹介 | 内容:刺青.秘密.母を恋うる記.友田と松永の話.吉野葛.春琴抄.文章読本(抄) 年譜:p455~477 |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 1991/05/20 |
JAN | 9784480102072 |
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商品レビュー
3.9
11件のお客様レビュー
谷崎さんの小説から短…
谷崎さんの小説から短編・中篇数編を選んだ文庫本。 『刺青』 『秘密』 『母を恋うる記』 『友田と松永の話』 『吉野葛』 『春琴抄』 『文章読本 抄』 収録。うち『秘密』『友田と松永の話』は推理小説テイストで、推理小説好きの私にはたまりませんでした。『母を恋うる記』も幻想小説的で美...
谷崎さんの小説から短編・中篇数編を選んだ文庫本。 『刺青』 『秘密』 『母を恋うる記』 『友田と松永の話』 『吉野葛』 『春琴抄』 『文章読本 抄』 収録。うち『秘密』『友田と松永の話』は推理小説テイストで、推理小説好きの私にはたまりませんでした。『母を恋うる記』も幻想小説的で美しいです。バリエーションに富んだ選び方が良かったです。
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有名なものから、よそ…
有名なものから、よそではあまり読めない作品まで。夢の世界を描いた「母を恋うる記」の情景描写には瞠目しました。
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「刺青」 妖艶で冷たく美しい作品だと感じた。 女郎蜘蛛を彫られた女は、残忍な美しさの権化となり、生きた完成作品となった。 この「刺青」という作品自体に、なにか魂がふきこまれているかのような、そんな妖しい強さを感じた。 「秘密」 これは以前もどこかで読んだことがあった。 ミステリ...
「刺青」 妖艶で冷たく美しい作品だと感じた。 女郎蜘蛛を彫られた女は、残忍な美しさの権化となり、生きた完成作品となった。 この「刺青」という作品自体に、なにか魂がふきこまれているかのような、そんな妖しい強さを感じた。 「秘密」 これは以前もどこかで読んだことがあった。 ミステリアスな体験の正体が知れてしまったとたん、魅力が消えてしまう。 不実な男の一時の遊びだと分かっている女。 双方にとって、非現実を装う恋愛ゲームなのだ。 「母を恋うる記」 夢の話だな、ということはすぐに感じた。 その非現実感が実に夢らしく描かれている。 静けさと音も、闇と光の深さと伸び具合も。 悪夢や怪談と紙一重のような、それでいて美しい世界だと感じた。 「友田と松永の話」 肌身離さぬ指輪が非現実的な効力を発揮するのかと思いきや、あまり関係がなかった。 友田と松永の関係性は早い段階で確信するが、客観的には異常な心と体が振れが、友田の告白を聞くと、なぜかナチュラルなことのように受け入れることができてしまう。 欲に支配される人間の不安定な生き様を端的に描いた作品だと感じた。 「吉野葛」 紀行文かと思ったら、小説だ、ということだけれど、谷崎の体験が色濃く反映していることは間違いがないだろう。 話の中心が徐々に移動していくが、それら全体を包括した「吉野への旅」というものを表現したかったのかもしれない、と感じた。 旅には、様々な目的や人生がつまっている。 景色・人・感情をどんどん通り抜けて、次の場所へと移っていく。 そんな読後感が残った。 「春琴抄」 春琴と佐助の結びつきの強さに圧倒される思いがした。 これは、純愛を越えている。 年月を経て鍛錬されたかのような佐助の深い思いには、恐ろしさすら感じる。 「痴人の愛」の譲治も女に入れあげ振り回されるが、佐助には譲治にはない強さを感じる。 その誠実さ・一途さには、春琴の心も震えただろう。 手をつないで雲雀を空に舞い上がらせる二人の姿が印象的だった。 「文章読本」 日本の国語は語彙が貧弱で不完全だ、という発想がなかったので、面白かった。 なるほどそう言われてみればそうかもしれない、と思った。 この作品が書かれてから随分時がたち、現代の日本においては少し当てはまらないような気がする部分もあった。 しかし、谷崎の文章に対する考え方が垣間見れて、面白かった。
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