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うみとぼく
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うみとぼく

中渡治孝(著者)

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うみとぼく

定価 ¥1,602

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 福武書店
発売年月日 1990/07/10
JAN 9784828849058

うみとぼく

¥770

商品レビュー

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2023/08/21

 いつもの図書館で偶然見つけ、タイトルと絵に惹かれて借りたのだが、これがネット検索してみても、絵本の画像も作者の「中渡治孝」さんのプロフィールも出てこないことに驚き、もしや稀少本かなと思ったが、読めたことを嬉しく思いたい。  この絵本は、1990年に福武書店(今のベネッセ)から...

 いつもの図書館で偶然見つけ、タイトルと絵に惹かれて借りたのだが、これがネット検索してみても、絵本の画像も作者の「中渡治孝」さんのプロフィールも出てこないことに驚き、もしや稀少本かなと思ったが、読めたことを嬉しく思いたい。  この絵本は、1990年に福武書店(今のベネッセ)から発売されたもので、物語のポップな文字のフォントとは対照的に、絵はとても写実的で、今の私からしたら、正に当時抱いていたイメージ通りの絵本ということで、決して目新しさこそ無いものの、その分、畏怖の念を抱かせるくらいの、恐ろしくも美しい雄大な海の光景を、パノラマ写真のような横長の見開きで(一枚だけ縦長もあり)、目の当たりにすることが出来る。  それは、夜明け前の紫がかった空に、黄と橙を少しずつ浸食させていくかのように太陽が昇り始める、ひっそりとした中でも、そこだけ音が聞こえてくるような、既に波立っている海の場面から始まり、午後になると、青空の中、風が出てきて次々に打ち寄せる大波小波を見ている内に、沖からウミネコたちが帰ってくると、次第に雲が集まって来て、怪しい空模様へと変わっていき、心なし波もより高くなってきたように思える中、夕暮れ前には、その白い波飛沫とエメラルドグリーンの凪いだ海の美しさが目に留まり、といった、一日を通した海のありのままの姿を見せてくれるのだが、中でも印象的だったのが太陽の描き方であり、この写実的であるからこそ、原初的な神々しいものを絵から感じさせる、その光があるからこそ、海もまた神々しいものに感じられるのだろうと思われた、その関係性が印象的だった。  また、タイトルにもあるように、これは海の物語であるとともに、その島に住む少年「ぼく」の物語でもあり、それは、夜明けと共に漁船に乗って海に出て行く父を見送ったぼくが、ウミネコが帰ってきたことで海が荒れるのではないかと父が心配になり、それを追いかけて島の高いところに行く過程で見せてくれる、その切り立った剥き出しの自然の美も感じさせる中、ぼくにとっては、仕事後に海のいろんな話を聞かせてくれる父も好きだが、父が愛する海の素晴らしさを、毎日の生活の中で自分の肌に吸収し続けることで、ぼく自身もそう感じるようになってきたと思わせる、海と共にある人間としての喜びを実感させられたからこそ、このタイトルなのだろうと思うと、改めて海というのは、ただそこにあるだけで何かをもたらしてくれる、とてつもなく大きな存在であることを実感させられる。

Posted by ブクログ

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