ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティと明治期の詩人たち

鏡味国彦(著者)

• 販売会社／発売会社: 文化書房博文社/
• 発売年月日: 1990/09/30
• JAN: 9784830105647

商品レビュー

2009/09/26

ラファエル前派の画家としてD.G.ロセッティのことを認識した私だが、妹クリスティーナの詩を読んだりちょっと調べたりすると、兄ダンテこそ「詩人」ではないか、とも思われて、この本を探して手に入れた。プロローグとエピローグ（そして「あとがき」)、これらの間に、一章　ロセッティと上田敏二章　ロセッティと島崎藤村三章　ロセッティと蒲原有明四章　ロセッティと薄田泣菫五章　ロセッティと岩野泡鳴六章　ロセッティと與謝野晶子, 石川啄木タイトルに相応しい内容。正方形に近い変形版、横組で、各詩の引用（訳詩や原典からも）豊富。こちらについても門外漢なので、述べられている各々については云々できませんが、D.G.ロセッティもしくは各章に挙げられている明治期の詩人にご興味おありの方にはこれも「一興」か、と。あるいはまた、それぞれの詩を味わうためだけ、でも。【以下、蛇足】この本は古本屋さんで入手しました。どこぞの大学（教養過程の英文学かな、まさか、国文学であろうか）で講義用に使われていたもののようで、ほんのちょっと、それも最初のほうにだけ、鉛筆で囲みや下線、書き込み（振り仮名？）あり。彼か彼女か（二章までしか読まなかったのねー）、いかにも「しょうがないから持ってました」とばかりの、あまりにも初歩的な書き込みだったので（アソウさんの「読み原稿」じゃないんだから）、鉛筆書きだったのを幸いに消しゴムで消しちゃいました。顧みると、オソロシや。折り端や傍線からも「持ち主の程」が知れるってぇものだ、気をつけよう。（ってゆぅかー、売り飛ばすんだったらこれくらいの鉛筆書きは消したほうが「高く」買ってもらえるかもしれないよ）。あるいはまた、ものすごーく「深読み」して、英文もしくは国文（ひょっとして美学）を志し、その志半ばに病に倒れた美少女（美少年でも可）の、その薄倖の人生をでっちあげる（訂正、夢想する）のも、おまけの楽しみ方かもしれませぬ。