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養う人ヨセフ ヨセフとその兄弟3
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 1988/02/20 |
JAN | 9784480830708 |
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養う人ヨセフ
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養う人ヨセフ
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最終巻となる本書第三巻には第四部「養う人ヨセフ」が収められている。 牢につながれたヨセフだったが、国は未曾有の大飢饉に見舞われていた。ヨセフは夢判断の才能を発揮して王ファラオの信頼を得、牢から出してもらう。その後も飢饉の対策等で手腕をふるい、ヨセフはファラオの宰相にまで出世し...
最終巻となる本書第三巻には第四部「養う人ヨセフ」が収められている。 牢につながれたヨセフだったが、国は未曾有の大飢饉に見舞われていた。ヨセフは夢判断の才能を発揮して王ファラオの信頼を得、牢から出してもらう。その後も飢饉の対策等で手腕をふるい、ヨセフはファラオの宰相にまで出世し妻をめとる。 飢饉はヨセフの故郷カナンにまで及び、ヨセフの異母兄弟たちは父ヤコブの命によりエジプトを訪れる。変わり果てたヨセフの姿に兄弟はそれが弟だとは気づかず、一方ヨセフは齢を重ねた兄弟との再会に父がまだ生きているかどうか不安になるが、自分の正体を隠したまま神聖な演技を続け、弟のベニヤミンを連れてくるよう無理難題を言いつける。往復で一年待たねばならない距離だが、これだけ待ったのだからあと一年くらい何だろうとヨセフは自分に言いきかせる。 一年後、兄弟全員がそろった。ヨセフは異母兄弟たちに、ヨセフすなわち自分を井戸に捨てた罪を自白させようと弁舌巧みに誘導する。ついに兄弟の一人ユダが自分たちの罪を告白したとき、ずっと用意していたセリフ「私がそれです」をヨセフが涙ながらに告げる場面は、この長い長い物語最大のクライマックスと言っていいであろう。 ヨセフが生きていたことを兄弟たちが父ヤコブに告げるときに、孫娘のサラに歌わせる歌も感動的である。ヤコブをはじめ全員がエジプトに移住し、ヤコブの死をもって物語は終わる。神話を語るトーマス・マンの筆致はもはや神の域に達していると言っても過言ではない。人類の至宝とも言うべき名著であり、復刊もしくは文庫化を心より祈願する。
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トーマス・マンの最重厚長大な4部作、合計1,840ページ!しかも、2段組で、3分冊。 寝転がって読むと手が痛くなる重さ。 ついに、読み終えました。 長い長い物語もついには終わることがあるという当たり前の事実にただ驚く。 読み終えた達成感もあるものの、この物語が終わってしまっ...
トーマス・マンの最重厚長大な4部作、合計1,840ページ!しかも、2段組で、3分冊。 寝転がって読むと手が痛くなる重さ。 ついに、読み終えました。 長い長い物語もついには終わることがあるという当たり前の事実にただ驚く。 読み終えた達成感もあるものの、この物語が終わってしまったことへの名残惜しさのほうが強いかな〜? トーマス・マンの小説は、最初のほうは、ゆっくりと進んでいるのかいないのかわからない細かい状況設定がつづき、半分くらい進んだところで、ようやく話が展開しはじめ、最後の残り4分の1か、5分の1くらいになって、急激に加速してクライマックスにいたる、という構成のものが多い気がする。 この「ヨセフとその兄弟」の4部作の最初の3部はそんな構成であるが、その最後を飾るこの第4部は、最初のほうから、話は順調に展開していき、半分くらいに達したあたりから、クライマックに入っていく。 で、クライマックスは、1度ならず、2度、3度と繰り返され、あとは、この長い物語もその長さに応じて、クールダウンしながら、ゆったりと終わっていくのかと思わせといて、最後にも、さらに1段、2段のクライマックが用意してあったりする。 いや〜、すごいな〜。見事だな〜。 第4部は、カナンの地とエジプトの2つの地で展開した物語を地理的に統合し、ヨセフとその兄弟の確執を統合し、ヨセフとその父親との関係を統合していく。 そして、その統合は、それまでの物語の変奏曲でもあり、新しい命を吹き込むものでもある。 旧約聖書が題材で、「神」の問題を深く探求する小説でありながら、極めて人間的で、アーキタイプともいうべき神話的な人と物語りが語られている。 そして、ヨセフは、そしてヤコブも、ある種のトリックスターなのだ。異なる領域を行き来し、ユーモアをもって、違うものを統合する人なのだ。 宗教的でありながらも、明るい、人間への大きな愛があるな。 いや〜、まいったな〜。
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