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すみだ川・新橋夜話 他一篇 岩波文庫
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すみだ川・新橋夜話 他一篇 岩波文庫

永井荷風【作】

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すみだ川・新橋夜話 他一篇 岩波文庫

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商品詳細

内容紹介 内容:深川の唄.すみだ川.新橋夜話
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 1987/09/16
JAN 9784003104224

すみだ川・新橋夜話 他一篇

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商品レビュー

4

7件のお客様レビュー

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2023/02/16

芸妓を描いた新橋夜話が余韻を残す切なさがあってよい。 男女の刹那的な関係の美しさを読みたい方は、ぜひ。

Posted by ブクログ

2022/11/14

深川の唄 江戸の情緒に対する思慕と、急速に西洋化していく日本社会への諦念とが、深川ー山手の対比の上に見事に投影されている。 すみだ川 失われていく墨田川周辺の情緒あふれる景観に対する愛惜を、長吉が幼馴染お糸を恋慕う物語に込めている。p.93の「いそがしき世は」からはじまる一文は...

深川の唄 江戸の情緒に対する思慕と、急速に西洋化していく日本社会への諦念とが、深川ー山手の対比の上に見事に投影されている。 すみだ川 失われていく墨田川周辺の情緒あふれる景観に対する愛惜を、長吉が幼馴染お糸を恋慕う物語に込めている。p.93の「いそがしき世は」からはじまる一文は、荷風屈指の名文ではないか。

Posted by ブクログ

2021/12/01

 3つ入っている。 「深川の唄」「すみだ川」は1909(明治42)年に発表され、これは荷風30歳、4年間のアメリカ、1年のフランス滞在を終えて帰国し『あめりか物語』『ふらんす物語』が出版された辺りである(『ふらんす物語』はただちに発禁)。「新橋夜話」は短編集で、1912(大正元)...

 3つ入っている。 「深川の唄」「すみだ川」は1909(明治42)年に発表され、これは荷風30歳、4年間のアメリカ、1年のフランス滞在を終えて帰国し『あめりか物語』『ふらんす物語』が出版された辺りである(『ふらんす物語』はただちに発禁)。「新橋夜話」は短編集で、1912(大正元)年にいったん出版されたのちに収録作に異動があったものらしい。最終的には1909(明治42)年から1912(大正元)年にかけての掌編が収められている。  いずれも荷風の若い頃の作品だ。「すみだ川」は特に若々しい清新さが窺える佳品。「新橋夜話」は主に芸者の登場する花柳小説が中心となっていて、この界隈への荷風の強いこだわりが早くも現れている。なるほどモーパッサンの影響を受けているのかも知れないコントふうの作品や、一幅のスケッチのような作品が入っていて、味わい深く印象的なものも多かった。これらの中では比較的後年のものの方が良いと思った。  永井荷風の小説世界は叙情的であるが、たとえば佐藤春夫のような薄っぺらさは無く、ほどほどの深まりを見せ、端正なたたずまいを見せる。情緒が浮き彫りとなるものの激情までには至らないおとなしさは、日本的な情緒であるのかもしれない。  音楽で言うと、地味で目立たないが一つ一つ傾聴するほどに味わいの深い、そして全体としてあくまで均整の取れたサウンドを持つサン=サーンスの作風に似ていると思いついた。もっとも荷風自身はワーグナーやシューマンなど、ドイツ音楽を好んだように思える。  一応ロマンチックな世界を展開する文学フィールドは、やはり「強い堅固な主体」の維持装置に支えられているに違いなく、そこでは外部の異質性を排除する防衛機制も当然働く。荷風が江戸文化の香りを残す明治前半の雰囲気を愛し、なだれ込んでくる近代化の波を批判し続けて、失われゆく江戸風の情緒をはかなんだのも、こうした自己防衛機制によるものだろう。  同じように江戸情緒を溺愛し昭和初期においては巷間にあってもはや時代遅れの様相を呈してさえなお、自分の愛する世界を描き続けたという点で、泉鏡花(1873-1939)が想起される。永井荷風(1879-1959)と鏡花、この両者の違いを検討してみるのも面白いかも知れない。  本書に収められているような瑞々しい愛すべき小品たちが、私は好きだ。

Posted by ブクログ

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