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餓鬼草紙・地獄草紙・病草紙・九相詩絵巻 日本の絵巻7
定価 ¥3,962
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論社 |
発売年月日 | 1987/10/20 |
JAN | 9784124026573 |
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餓鬼草紙・地獄草紙・病草紙・九相詩絵巻
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餓鬼草紙・地獄草紙・病草紙・九相詩絵巻
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お盆に、冥土に通じるといわれる井戸があるお寺に行ったり、博物館で地獄の絵巻を見たりしました。そんなこんなで、リストにいれてあったこの本を思い出して借りてきました。 収録されている餓鬼草紙、地獄草紙、病草紙はいずれも、制作が12世紀後半と見られています。画風や、詞書(ことばがき)...
お盆に、冥土に通じるといわれる井戸があるお寺に行ったり、博物館で地獄の絵巻を見たりしました。そんなこんなで、リストにいれてあったこの本を思い出して借りてきました。 収録されている餓鬼草紙、地獄草紙、病草紙はいずれも、制作が12世紀後半と見られています。画風や、詞書(ことばがき)の書風が異なるため、セットとして制作されたものではなさそうですが、このころ、六道絵が流行しており、そうした作品群に属すると見られます。六道とは、天道・人道・阿修羅道・畜生道、餓鬼道、地獄道の6つ。生き物は因果応報によってこの6つの世界を転生し続け、諸道の苦楽を味わいます。天道は苦が少なく、下に行くほど苦が多くなります。仏の教えにすがることで、こうした世界から救われよう、という思想が流行したのが平安期。源信の『往生要集』の教えを絵画化した六道絵が多く制作されました。餓鬼草紙は餓鬼道、地獄草紙は地獄道、病草紙は人道の苦をそれぞれ現したといってよいでしょう。 九相詩絵巻の方は鎌倉期のもの。人が死んでから土に帰るまでを克明に描く絵巻です。これも元々は仏教から来ていて、肉体に対する執着を除くため人の屍に対して9つの観想(心を集中して姿や性質を観察すること)を行うものです(九想=九相)。生前は美しかった女性が亡くなり、野ざらしとなった死体は膨張し、獣に食われ、やがて白骨になります。その諸相を9つに分けています。現世の肉体は不浄であり、人の世は無常であるという意味で、六道絵と同じ流れに属するものでしょう。 餓鬼は食べても食べても満たされない飢えを抱え、あるいは水を飲もうとするとその水が火に変わり、あるいは糞便を食べなければならず、さんざんです。 地獄に落ちたものは、剣の山に登らされ、業火に焼かれ、虫や犬に齧られ、これも大変な有様。 とはいえ人間界がよいかといえば、そういうわけではなく、虱にたかられたり、眼病の治療といって医者(ヤブ?)に目を切られたり、歯槽膿漏に悩んだり、肥満だったり、まぁこれはこれでいろいろあります。 死ねば死んだで腐ってしまうし。 この時代、やはり飢餓はかなり身近なもので、野ざらしの遺体を目にすることも珍しくなかったのでしょう。 地獄の刑罰が肉体的苦痛に重点が置かれている(痛いとか熱いとかのオンパレード)のは、やはりそういう苦痛を皆生きているうちに味わっていたから、ということなのかな、とも思います。 ねちねち嫌味を言われ続ける「嫌味地獄」とか、無視され続ける「シカト地獄」とかもあったらそれなりにイヤだろうなと思うのですが、やはり身体的苦痛の方が辛いのかな(拷問も大体痛みを伴いますしね)。 罪人が苦しめられるだけではなく、仏の使者が地獄から救済してくれる場面もあるのですが、そもそも地獄って誰が作ったんでしょうね・・・? 仏が作ったのだとしたら、地獄自体をなくせば皆救われるんじゃ・・・? それでは悪人に示しが付かないのかな? じゃあ初めから悪いことをする人が生まれないようにしたらいいんじゃないの・・・? ・・・お坊さんに言ったら「つべこべ言うな!! かぁぁつ!!」と怒られそうなことを考えながら、いやー、地獄、すごいよね、とつい見入ってしまうのでした。
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