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ルネッサンスの光と闇 芸術と精神風土 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論社/ |
発売年月日 | 1987/04/10 |
JAN | 9784122014169 |
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ルネッサンスの光と闇
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3.7
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岩波新書の名著「名画を見る眼」の手法をルネサンスに応用した「ルネサンス美術を見る眼」だ。 学生時代に受講した彼のバロックの講義もそうだったが、言葉だけでなく、実際の写真を多用して、イメージ豊かにルネサンスを浮かび上がらせる。 ボッティチェリ論の見事さに瞠目する。 宇宙のオクター...
岩波新書の名著「名画を見る眼」の手法をルネサンスに応用した「ルネサンス美術を見る眼」だ。 学生時代に受講した彼のバロックの講義もそうだったが、言葉だけでなく、実際の写真を多用して、イメージ豊かにルネサンスを浮かび上がらせる。 ボッティチェリ論の見事さに瞠目する。 宇宙のオクターブの面白さ、洗礼図とビーナスの誕生の図象学的同一性と、この知的な巨匠の文章ははどれも驚きに満ちている。
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サヴォナローラがカトリシズムの腐敗を厳しく糾弾した15世紀末、フィレンツェの街は終末思想に覆われていた。メディチ家は人文学者たちを集め、マルシリオ・フィチーノを中心に開かれたプラトン・アカデミーによって新しい世界像をつくりあげようとしていた。一見しただけでは何が描かれているのかわ...
サヴォナローラがカトリシズムの腐敗を厳しく糾弾した15世紀末、フィレンツェの街は終末思想に覆われていた。メディチ家は人文学者たちを集め、マルシリオ・フィチーノを中心に開かれたプラトン・アカデミーによって新しい世界像をつくりあげようとしていた。一見しただけでは何が描かれているのかわからない、謎と寓意に満ちたルネサンス絵画の世界を紐解く。 手持ち本のなかでは、若桑みどり『マニエリスム芸術論』に近い。本書にはマニエリスムという言葉はでてこないが、中心となるのは寓意画の図像解釈学であり、底本にしているのもパノフスキーとヴィントだから取り上げられる作品も共通している。 オルヴィエート大聖堂のシニョレッリの連作を教材に、15世紀末のフィレンツェ市民が共有していた終末思想を解説する第1部。シニョレッリ『パンの饗宴』、ボッティチェリ 『春』『ヴィーナスの誕生』、ティツィアーノ『聖愛と俗愛』を用いて、ネオ・プラトニズムとルネサンス絵画の関係を語る第2〜4部。ベルリーニ『神々の祝祭』の制作背景から、ネオ・プラトニズム的な愛を小部屋に表現しようとしたアルフォンソ・デステの構想を探る第5部、という構成になっている。 読みどころはやはり、第3部におけるボッティチェリ『春』の読み解き。ネオ・プラトニズム的な愛の観念が、古代から続く生と死のサイクルと結びつくこと=〈春〉。「宇宙的オクターヴ」の章は難解な内容のわりにあっさり終わってしまったが、本書は全体的に魔術的な方面には淡白な傾向がある。花の神フローラのイコノロジーが〈天上の愛と地上の愛〉に一旦は結びつき、やがて娼婦のイメージへ零落していく過程も面白かった。 今や当たり前のものとなっているネオ・プラトニズムの魔術的な世界観を期待すると肩透かしを食らうが、西洋絵画における寓意という、我々にはいつまでたっても縁遠く感じられるモチーフを知る足がかりには最適な一冊。60年代後半の連載をまとめたものらしいので、ピコやフィチーノの思想を紹介したものとしては『夢の宇宙誌』チルドレンというところだろうか。澁澤に比べたら、晦渋なところがなく断然読みやすい。若桑先生の『イメージを読む』が楽しかったら次はこれ、という薦め方をしたい。
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高階秀爾 「 ルネッサンスの光と闇 」 ルネッサンス期フィレンツェ派の芸術表現と精神的風土の関係性から ルネッサンスの意義を論じた本だと思う ルネッサンスの意義は ギリシア思想の復興により、教会の権威を弱め、キリスト信仰を 本来あるべき姿に是正したこと ルネッサンス期の精神...
高階秀爾 「 ルネッサンスの光と闇 」 ルネッサンス期フィレンツェ派の芸術表現と精神的風土の関係性から ルネッサンスの意義を論じた本だと思う ルネッサンスの意義は ギリシア思想の復興により、教会の権威を弱め、キリスト信仰を 本来あるべき姿に是正したこと ルネッサンス期の精神的風土 *中世カトリックの教会主義への疑問 *個人の自由と平等の目覚め=ギリシア思想 *終末思想、神の罰への怖れ ルネッサンス期の芸術表現 *教会の教義は 神の言葉か、悪魔の言葉か *美とは何か、愛とは何か、神とは何か、の芸術的追求 *愛とは、人間と神との関係の中にあり、美(=神から発する神的な性質)を受け、快楽の喜びを通して 神の世界に返すべきもの シニョレルリ 「世界の終わり」の地獄絵巻〜「偽キリスト」 *世界の終わりのプログラムの最初に「偽キリスト」を配置 *偽キリスト=神の言葉でなく、悪魔の言葉を話している=サヴォナローラその人 ボッティチェルリ「神秘の降誕」 *テーマ=終末観=悪魔の一時的な勝利と神の最終的な栄光 シニョレルリ「パンの饗宴」 *ギリシャ神話のパンの神(半獣神)=メディチ家の守護神 ボッティチェルリ「春」 *三美神は (左から)愛、貞節、美→貞節が後ろ向き、愛と貞操が対立、美がヴィーナスの近くにいる=新しい総合 *キューピッドの愛の矢は 愛を知らない貞節に向けられている *愛を知らない クロリスは 西風(春。愛の化身)と出会い、愛の女神フローラとなった
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