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A感覚とV感覚 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | 内容:鼻眼鏡.夢がしゃがんでいる.星は北に拱く夜の記.きらきら草紙.フェヴァリット.明治大正少年気質.WC-極美についての一考察.緑色のハット.かものはし論.新=犬つれづれ.澄江堂河童談義.『稚児之草子』私解.A感覚とV覚感.異物と滑翔. 天上の消息 高橋睦郎著 |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社/ |
発売年月日 | 1987/05/06 |
JAN | 9784309401898 |
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A感覚とV感覚
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読んでみたところ、久々に鳥肌がたつような思いをした。 嫌悪感と、憧れがない交ぜになったような。 表現の仕方や、文章の構造に少し厭なものを感じるのだけれど、 それ以上に自分の深いところにある情感を揺さぶるそれが羨ましい。 『WC』なんか、特にそう。 最初の三行で吐きたくなるくら...
読んでみたところ、久々に鳥肌がたつような思いをした。 嫌悪感と、憧れがない交ぜになったような。 表現の仕方や、文章の構造に少し厭なものを感じるのだけれど、 それ以上に自分の深いところにある情感を揺さぶるそれが羨ましい。 『WC』なんか、特にそう。 最初の三行で吐きたくなるくらいの嫌悪を感じて、 それでも「汚いもの」、「下品なもの」をそれとは感じさせないくらいに美しい比喩を使って、 それでも話の生々しさを損なわず書くものだから、 ついつい最後まで読んでしまった。 ...その間中汲み取りトイレの臭いや、 アレのいやにリアルな外見とかを思い出しながら読んでいたのだけれど。 それ以上に何が厭って、彼の云う事が全く持って正解だという事。 すなわち、私は排泄行為や汚物に口で言う程の嫌悪を抱いていない事。 無意識のうちで、私は多分最も自然な本能の一部として排泄行為を肯定している。 幼児が「うんこ」という言葉に以上に興味を示す状態と同じ事、 とでも言いますか。いくら理性的な人間の皮を被っても、中身は同じ。 ...なんか深層心理とか、フロイトっぽい話になってしまったけれど。 別にフロイトも好きではないのだけれど、この文章とあわせて力説されると否定できない。 自分の醜さを提示された気になるから、厭だ。 もう一つ足穂氏の文章を読んでいるうちに認識させられたのは、 自分の中の変態性、もしくは偏執癖の様なもの。 『夢がしゃがんでいる』の中で、語り部が下級生の少年の後を付いて行くくだりがある。 『先方の交互に踏み出される後姿のズボンの上部に、 Tの字の皺が出来て、それが足の運びにつれて(よじれて形をつくる)のを見ながら、あとをつけてきたのでした。』 本当に厭な話、これを読んだ時、「ああ、同じ感覚の人が居る」と思った。 その後彼は、下級生の 『格好良い靴の踵のところ』 を見ながら後を付いていくのだけど、 妙なディテールに対するマイナーなフェティシズムの様なこだわりが 自分と類似していたから、なんとなく薄ら寒い思いをした。 例えば首から背骨のライン、 シャツの袖口から覗く手首の形、 絶対に認めたくない、口外したら最後絶対に変態扱いされるような、 そんな妙な感覚を文章の中に滑り込ませてしまえる彼が羨ましい。 ...羨ましいといったところで、私なんかがつらつら書いている乱文を、 故人の足穂氏が知る事はないのだけれど。 結局何の話って、どんな情感であれ読み手の強い思いを揺さぶれる作品は素敵だという話。
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足穂初体験。 初めはA感覚とV感覚という意味が分からなかった。 アダルトビデオを思い出したくらいで。 しかも何の説明もなく使われていた。 だからますます意味不明瞭になってしまって。 文脈の繋がりからも読解力不足で読み取れなくて。 でもP感覚という言葉が出てきて合点。 ...
足穂初体験。 初めはA感覚とV感覚という意味が分からなかった。 アダルトビデオを思い出したくらいで。 しかも何の説明もなく使われていた。 だからますます意味不明瞭になってしまって。 文脈の繋がりからも読解力不足で読み取れなくて。 でもP感覚という言葉が出てきて合点。 つまり A・・・アナル P・・・ペニス V・・・ヴァギナ ということだった(笑)。 しかもこの男、びろうな話が大好きなのである。 下ネタ満載。 ユーモアのセンスはかなりのもの。 しかし文章がアブストラクトで難解。 平易なものもあるんだけど、最後のテキストは流石に断念・・・。 筆力に打ちのめされた。 面白いことは書いているので、修行を積んでから再読したいと思う。 この男は他にも美少年を愛好しているそうである。 なるほどアナルにここまでこだわる理由はそこにあったのか。 しかし、残念なことに彼はお世辞にも美少年とは言えない。 というかむしろ積極的に醜い。 でもシンパシーは感じた。 なぜなら自分もニューハーフが大好きだから。 少し趣は異なるのだけど、僕も自分なりのA感覚を追求しようと思った。
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