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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1987/11/10 |
JAN | 9784061588103 |
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庶民の発見
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庶民の発見
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4.3
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メモ→ https://twitter.com/nobushiromasaki/status/1625692747729637377?s=46&t=RJh762VZprlBZOBxbQWL7Q
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名著と言っていいのではないか。私たちが学んできた「歴史」と呼ばれるものは、祖先が暮らしてきた社会の変遷の、ほんの上澄みをすくい取ったに過ぎないことを思い知らされる。 巻末の解説に引用してある次の文章が、宮本常一の依って立つところを明確に表している。 “一般大衆は声をたてたがらな...
名著と言っていいのではないか。私たちが学んできた「歴史」と呼ばれるものは、祖先が暮らしてきた社会の変遷の、ほんの上澄みをすくい取ったに過ぎないことを思い知らされる。 巻末の解説に引用してある次の文章が、宮本常一の依って立つところを明確に表している。 “一般大衆は声をたてたがらない。だからいつも見過ごされ、見落とされる。しかし見落としてはいけないのである。記録を持っていないから、また事件がないからといって、平穏無事だったのではない。孜々営々として働き、その爪跡は文字にのこさなくても、集落に、耕地に、港に、樹木に、道に、そのほかあらゆるものにきざみつけられている。” 私はこれまで、明治期に始まった学校教育制度は肯定的に評価されるべきものであると考えてきた。だが物事にはやはり表裏があるのであって、確かにそれは全国津々浦々の子ども達の資質向上に大いに貢献し彼らの人生を豊かにしてきたことは間違いないが、富国強兵政策の一環として推し進められた結果、それは同時に、各村落共同体が古くからそれぞれ持っていた地域で子どもを育むための「仕組み」を廃れさせてしまった。 政治家や官僚や進歩的な人々から、「封建的」「遅れている」と一方的に決めつけられ、強圧的に変革させられた農村。それがために地域社会から失われてしまった何か。夏目漱石が『三四郎』の中で広田先生に「滅びるね」と言わしめた由縁であるところの何か(たぶん)。その痕跡を、宮本常一は戦前戦後を通じて温ね歩いたのだと思う。 そして、彼が私達に託した膨大なレポートを、どのように次代に活かしていくのかという問題が、いままさに私達に課せられているのである。 最後に、私がいちばん好きな個所を紹介して終わりにしたい。 “汽車に乗って山陽線をゆききするとき、車窓からの風景を見て、私は日本の風土に限りなきしたしさを覚える。何という平和で明るく律儀な人々の住んでいる国だろう……と。とくに汽車が三原から西条高原をこえて海田市へ出るまでの間の風景は好きだ。美しい藁屋根と細い柱、ぬれ縁、障子ばかり多くて壁の少ない家、それが点々として棚田のそこここに散らばっている。瓦葺きのものは赤褐色なのが多い。この瓦は八本松あたりののぼりがまでやいている。あんなに開放的に思い思いのところに家をつくって住んでも、迫害をうけることもなければ泥棒もはいらない。夏などはろくに戸もしめないでねている。”
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歴史の陰に隠れ、これまであまり日のあたらなかった庶民の生活。 封建時代の意識の強く残る時代、珪砂的な環境のなか貧しい生活を、人々がどんな生活の知恵で乗り越えていたのか 民俗学者として日本の隅々まで歩きまわった著者が、権力に虐げられてきた人々に、あたたかい視線を向ける
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