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瘋癲老人日記
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瘋癲老人日記
¥495
在庫なし
商品レビュー
3.9
10件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
77歳の卯木老人は、息子の妻・颯子に惹かれ、素っ気なく気まぐれな彼女に冷たくあしらわれることにも喜びを覚える。愛を得ようと、大金も与え、生命の危険も顧みない。ひいては颯子の足型から仏足石を作り、それを墓石にしようと企む。 颯子は『痴人の愛』のナオミの系譜にあたる。 しかし、発作を起こしたあとは看護婦や医師、娘の手記に変わり、そこで描かれる颯子は案外常識っぽく、老人の日記の颯子は自身の願望によってデフォルメされていたというのがわかるようになっている。 老人が颯子に駄々をこねるシーンは異様。 ほぼ全編カタカナ表記なので、少し読みづらい。
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カタカナ文主体で読みにくい… かと思えば意外とスルスル内容は入ってきた 谷崎文学はフェティシズムとマゾヒズムが特徴的と言われるが、まさにこの作品もそんな特徴を遺憾なく発揮している 俺は好きな女の子であっても踏まれたくはない…
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谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」 死ぬまでマゾヒズムを探究した老人を描いた小説。 老人の性を 滑稽に描きすぎて 主人公に 哀れさを感じたのは 時代感覚の違いかもしれないが、作品自体に下品さは感じなかった。文学として面白かったと思う 文学(人間描写)の面白さ *日記形式が ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」 死ぬまでマゾヒズムを探究した老人を描いた小説。 老人の性を 滑稽に描きすぎて 主人公に 哀れさを感じたのは 時代感覚の違いかもしれないが、作品自体に下品さは感じなかった。文学として面白かったと思う 文学(人間描写)の面白さ *日記形式が 死のカウントダウンを感じさせ、マゾヒズムの探究が 死の恐怖を克服している〜死と性のテーマが成立している *息子の嫁への妄想が 亡母への思慕に直結し、お墓に入ることが母の母胎に戻るような感覚で捉えられる〜老人の子供戻り、人間の退行現象が見てとれる カタカナの文体はとにかく読みにくい。主人公の病質性を示す意図があるのかもしれないが、読みにくくて 物語の筋を見落としている気がする。
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