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育児室からの亡霊
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 毎日新聞社/ |
発売年月日 | 2000/05/30 |
JAN | 9784620314457 |
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育児室からの亡霊
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妊娠期、乳児期~就学前に子供が受ける様々な影響と、その子ののちの暴力傾向の関係についての研究をまとめた本。 脳科学の話が多く、専門用語だらけでさらっと読める本ではないが、1990年代のアメリカの事件を多く例に出しており、ぼんやり覚えているものもあった(12歳で少女を射殺し、仲間...
妊娠期、乳児期~就学前に子供が受ける様々な影響と、その子ののちの暴力傾向の関係についての研究をまとめた本。 脳科学の話が多く、専門用語だらけでさらっと読める本ではないが、1990年代のアメリカの事件を多く例に出しており、ぼんやり覚えているものもあった(12歳で少女を射殺し、仲間に処刑されたRobert Sandiferの事件は当時大きな話題になったし、TIME記事も読んだ)。 トラウマについての項が、我が子に当てはまるだけに、読んでて気が滅入った。妊娠期の母親ストレス/鬱とか、幼少期の家庭状況の異常とか、それらが何となく子供に怖い思いをさせるだけでなく、脳そのものの発達を異常にしてしまう(自分の行動に対し正しい反応がもらえないと、問題に直面した時にどうふるまうべきかをプログラムする脳のシナプスそのものが形成されずに失われてしまう)、という、実に説得力のある説明が怖い。本で語られる症状も、軽いものではあるが我が子にも見られる。 まあ、妊娠期や初期の子育てでストレスをためない母親は皆無だし、妊娠に気付かない時点で薬、アルコール、煙草をやっても胎児に傷をつける、父親のアル中も影響がある…と、これだけ原因をあげられれば、当てはまらない家庭は皆無になるのでは??とも思うが。本はどちらかといえば生物学的見解よりだが、もちろん「環境」要素も重大なものとして挙げている。(Nature vs. Nutureというのだけど。Natureが基盤で、Nutureがその要因を助長するか軽減するかを決定する、という立場をとってる)。そもそも、妊娠期にアルコールを摂取する、鬱になる、暴力をふるわれる、といった母親は、経済的、社会的、教育的にも恵まれた環境にいない場合が多く、子供がそういった母親から生まれるのが問題なのか、それともその母親と同じような環境に育つのが問題なのか、というのは、実験室の統計だけで見極めるのは難しい。子供の攻撃性や無反応といった行動異常をしつけの問題だけでなく、脳の発育の問題ととらえて、その子を他のこと同じように扱わず各人に合わせた教育プログラムを組んでやる、という態度でのぞめばいいよう。(でもこれって、ちょっと問題のある子でも普通クラスに入れて他のこと同等に扱う日本式教育と、すぐに能力分けして「特別」のレッテルを張りたがるアメリカ式教育の違いが浮き出ていて、どちらがいいとは言えないような気もする)。 妊娠からやり直したい気にさせる本だが…。一方で、近い未来にロボトミー手術で傷ついた脳を再生していい子を量産しましょう!なんて計画もできそうで怖いな。
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