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殺戮の女神
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殺戮の女神

テアドルン(著者), 小津薫(訳者)

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殺戮の女神

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 扶桑社/
発売年月日 2001/02/28
JAN 9784594030902

殺戮の女神

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商品レビュー

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2012/07/07
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本作をドイツミステリー大賞受賞作というのであれば、理由は2つ考えられます。 一つは、該当年のドイツミステリー界はおそらく、絶滅寸前だった。 二つめは、該当年の審査員がドイツ語の不得手な人ばかりだった。 映画化やドラマ化されるようなミステリ作品に慣れ親しんだためか、本書には「ここをもっと描いてくれたらよかったのに」という惜しい点が目立ちます。 惜しいポイント1:人によっては高く評価するだろう『ギリシア文学』の引用。 引用と、最終的な仕掛けの伏線になっているだけで終わっている。キャラクターの人格や登場にいたるまでの必然性にまで、取り入れられていない。 惜しいポイント2:読者の想像力にお任せしすぎる描写が多い。 お話がモザイクタイルのように断片化されている手法は、ミステリにはよくあるタイプの展開です。 ここで問題なのは、断片化した後、読者の想像を喚起するような描写が少ないこと。文化的背景の相違かもしれません。 それにしても、「訳の分からないシーンが細切れ」という印象を受けました。 惜しいポイント3:キャラクターの登場と退場に必然性が感じられない。 古典ギリシア劇のデウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)のよう。 と、まではけなしません。 それにしても 「何でそのキャラクターをそーいう場面で退場させるのかな」 「何でその場面は必要なのかな、キャラクターを退場させるため?」 「だったらこのキャラクターは、この物語に中核的な顔して登場させる必要、ないんじゃないの」 という『冗長なキャラクターの肉付け』『物語内での扱い』でした。 惜しいポイント4: 都会のオフィス不倫やポルノ要素をそんなに入れたかったのなら、もう少し考えてもよかったのでは。 と、思うような、未消化な情報に基いたエロ場面描写が多く見受けられました。これは訳文によるものかもしれません。 私の判断としては、翻訳以前、そもそもの原語表現が、あまり上等ではないのだろう、というところ。 1.のギリシア文学引用もそうなのですが、これらの娯楽要素が作家にとっては血肉化されていない印象です。 『いかにも知的な感じで興味をかきたてるフレーバー』 を 『表面にちりばめているだけ』 で、 『物語の骨子にまで組み込まれていない』 ように感じられました。 そのため、主人公は薄っぺらい駄目人間に過ぎない、と分かってしまったときの落胆は悲惨なものでした。  途中までは 「もしやこれって、主人公が犯人というパターン?」  とワクワクできたんです。  この作品、不法占拠家屋のシチュエーション以外、ベルリンで展開される必然性が見当たりません。  残念な読後感でした。

Posted by ブクログ

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