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精神鑑定、18人の犯罪病理
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 2000/02/21 |
JAN | 9784062100786 |
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精神鑑定、18人の犯罪病理
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日本には最近、どうしてそういうことになるのか理解できない犯罪が多い。 それは、いわゆる"食べるため"の犯罪ではないわけで、それだけ皆が裕福になったともいえるのかもしれない。が、反面、心のどこかに失うものがあり、それを埋めるがごとくの犯罪という行動となる。 ...
日本には最近、どうしてそういうことになるのか理解できない犯罪が多い。 それは、いわゆる"食べるため"の犯罪ではないわけで、それだけ皆が裕福になったともいえるのかもしれない。が、反面、心のどこかに失うものがあり、それを埋めるがごとくの犯罪という行動となる。 そういう事件を耳にしたとき、 「どうしてそんなことをしたのか?」 「どういう経緯でそういう風に考えるに至ったのか?」 考えずにはおられない。 いや、考えてもわからないので、聞いてみたいと思うのである。 ここには、18人の経緯が"精神鑑定"を通して語られている。 それぞれの事例を読めば読むほど、怖くなったのは、そこに語られている人たちのことではなく、自分自身のことだった。 なにか事が起きた状況で、自分が精神鑑定を受けたとしたら、どんな判定が出るのか?その時、私の人生のストーリーを、鑑定者はどう定義づけるのか? 人間は、そんなにクリーンに生きてはゆけない。 普通に生きている(と自分は思っている)今の自分だって、精神鑑定されれば何がしかの"問題"がでてくるのでは?と、読んでいて思った。 前提として、犯罪を犯した後か、前かという違いがあるだけで、そこから推察されるその人の人生ストーリーの作られ方がか違ういるだけなのかもしれないと。 ある意味"鑑定"という2文字で決定的に定義づけられてしまう人生を、怖いと思った。 ********************************************* そんな風に思うに至ったのは、シドニーでカウンセリングのクラスを受けたときの体験からだ。カウンセラーとしてのスキルを身につけるためのクラスなのだが、そこでは、2-3人に分かれて何度もロールプレイを繰り返す。それは、単にロールプレイではなく、時に、本当にカウンセリングであったりもする。 同じようなクラスを日本でも受けたことがあるが、日本語でさえ、思うこと、感じることを言葉にするのは難しい。どう表現すれば、正しく理解してもらえるのか苦労する。それを、少ないボキャブラリーの英語でやろうというのだから、なおさら表現力は限られる。 そうなるとカウンセラーは、その人の置かれている状況から、その人の心を推察しようとする。気が付くと、クライエントである自分が思ってもみなかったような、お仕着せのストーリーをどんどん展開されてている場合もある。 そんな時はもちろん、「それは違う!」と言いたい。言いたいけれど、「じゃ、どうなの?」と問われると、うまく英語で説明できないし、結局ことが面倒になるだけなのかも等と、頭の中でぐるぐる考える。 で、結局「ま、そういうことにしておこう」と思ってしまうわけである。 所詮それはクラスの中での出来事なので、私の人生に差し支えはない。 が、これがもっと別の場面だったら・・・ そのときの状況で、果たして最後まで自分の主張を、的確な言葉で言い切れるのか?日本語でも不安はあるなと思った。 犯罪者に限らず、偉人だろうがなんだろうが、人の人生は聞いてみたい。 けれど、人生を語るのは難しい。 そんなことを、ふつふつと考えさせられた。 ノーマルである・・・と人から思われている間に、精神鑑定を受けておきたいものだ。
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