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アメリカに生きる私 二つの言語、二つの文化の間で
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新宿書房/ |
発売年月日 | 1992/01/25 |
JAN | 9784880081618 |
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アメリカに生きる私
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アメリカに生きる私
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最近みすず書房から『記憶を和解のために』の翻訳が出た著者の自伝的エッセイ。クラクフでの生い立ちと少女時代、そしてカナダのヴァンクーヴァーへ移り住んでからの新しい生活、そしてアメリカで学生生活を経て作家として地歩を築くまでが、著者自身の異郷での葛藤と、新しい言語をわがものにしてい...
最近みすず書房から『記憶を和解のために』の翻訳が出た著者の自伝的エッセイ。クラクフでの生い立ちと少女時代、そしてカナダのヴァンクーヴァーへ移り住んでからの新しい生活、そしてアメリカで学生生活を経て作家として地歩を築くまでが、著者自身の異郷での葛藤と、新しい言語をわがものにしていくことの高揚感とを軸に細やかに綴られている。他人や場所に対する複雑な思いの襞に分け入る著者の筆力は、確かにかなりのものであろう。アメリカで好評を博したと聞く。ところで、ホロコーストを生き延びたユダヤ人を両親としてポーランドに生まれた著者は、つねに異郷に生きていると言ってよい。著者は生地クラクフでは、イディッシュ語とポーランド語の両方が飛び交う環境で、戦後も続いたユダヤ人差別も経験させられる。そこで自分自身が真に生きられる場として見いだしたのが音楽だった。ピアニストを目指す努力は新大陸でも、自分が移民であることを突きつけられる経験を重ねながら続けられるが、アメリカで文学を学ぶうちに、やがて書くことのうちに自己表現の場を見いだすことになる。そうして、母語ではない言語でこそ表現されうる自分自身を見いだすのだ。そのことに対する最終的な確信には、ややオプティミスティックなものを感じる──この点でジャック・デリダとは対照的だ──が、複数のアイデンティティを生きるとはどういうことかを深く考えさせる作品と言えよう。ちなみに原題は、“Lost in Translation: A Life in a New Language”。もう少しその含みを生かした訳題でもよかったのではないだろうか。
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