- 中古
- 書籍
- 文庫
仏教伝来と古代日本 講談社学術文庫
定価 ¥858
550円 定価より308円(35%)おトク
獲得ポイント5P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 1986/03/10 |
JAN | 9784061587250 |
- 書籍
- 文庫
仏教伝来と古代日本
商品が入荷した店舗:0店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
仏教伝来と古代日本
¥550
在庫なし
商品レビュー
3
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
欽明天皇は、仏教公伝に対して傍観・中立の立場を取った。それは古墳の副葬品に見られるように、大王=天皇の権威と地位を象徴するイデオロギーが確立していたから、および衰退を迎える百済からの公伝に、仏教の効用を疑ったからだと筆者は言う。筆者は、欽明天皇のこの立場に注目する。なぜなら、このとき天皇が仏教を拒否していれば、のちに神仏習合が芽生えることもなかったからである。 舒明天皇は天皇家初の寺を建立し、天皇という一個人として仏教を受容した。これはいわば私的な宮廷仏教であったが、天武天皇は公的な国家仏教のレベルまで引き上げた。これにより、神と仏は同格になった。やがてこの関係が崩れるのは、宇佐八幡宮の神託である。仏にとって神は救済する対象となった。仏を主、神を従とする神仏習合が全国展開したのは、その始まりが宇佐という辺鄙なところであったことに拠ると筆者は主張する。 だが、国家仏教は11世紀に延暦寺や興福寺の強訴を象徴的な事件として、衰退を見せ始める。それは、自己の権益や利益を主張するためには、普遍的な仏教では十分でないことの表れであった。
Posted by
古代日本仏教にかんする著者の研究にもとづいてなされた講演などをまとめた本です。 著者は、中国、朝鮮半島を経て日本へともたらされた仏教の伝来のしかたについて、政治の中枢をめざして伝えられていったということに注目しています。たとえば、中国から朝鮮半島の百済に仏教が伝わったのは、中国...
古代日本仏教にかんする著者の研究にもとづいてなされた講演などをまとめた本です。 著者は、中国、朝鮮半島を経て日本へともたらされた仏教の伝来のしかたについて、政治の中枢をめざして伝えられていったということに注目しています。たとえば、中国から朝鮮半島の百済に仏教が伝わったのは、中国の皇帝から冊封体制下の王に対して下賜されるというかたちでなされました。それゆえ、百済は仏教を拒否することはできなかったと考えられます。 他方、百済から日本への伝来は、対等な関係にある王権のあいだでなされたものであり、日本は仏教を受け入れるか、それとも拒否するかということを、選択することが可能でした。欽明天皇は、太子像や経典を崇仏派の蘇我氏にあたえますが、物部氏に代表される廃仏派の豪族たちが奉じる国神は、仏教に反対し、祟りをなしたとされます。しかしこれによって、神と仏がともに並び立つ状況が成立し、このことがやがて神仏習合を可能にする条件を生んだと著者は論じています。 そのほか、弥勒菩薩信仰にかんする朝鮮と日本の状況を比較する論考や、宇佐八幡が仏教による救済を求めることになった経緯とその歴史的な意義についての論考なども含まれています。
Posted by