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月にひらく襟
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月にひらく襟

鳩山郁子(著者)

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月にひらく襟

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 青林堂
発売年月日 1991/03/01
JAN 9784792602048

月にひらく襟

¥220

商品レビュー

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2024/11/06

「Sugar hiccup」 レース編み、角砂糖としゃっくり、やさしい従兄、生まれてすぐ亡くなった従兄さんの弟。 「紙切子、青更紗」 幻燈会、ミント水、夏の興行、その夏だけ出会った紗の瞼の男の子。 「Blue bell knoll」 あのですね、従兄のお兄さんを呼ぶときのルビ...

「Sugar hiccup」 レース編み、角砂糖としゃっくり、やさしい従兄、生まれてすぐ亡くなった従兄さんの弟。 「紙切子、青更紗」 幻燈会、ミント水、夏の興行、その夏だけ出会った紗の瞼の男の子。 「Blue bell knoll」 あのですね、従兄のお兄さんを呼ぶときのルビに「塔一従兄(にい)さん」と振られたらもうダメな白昼堂々シリーズファン(長野まゆみ作品)なので冒頭から陥落しました。従弟の名前が枝垂くんなのもお洒落。枝垂くんの形をして塔一さんの前現れたカリヨンの階音。ずっと探していた階音と出会ったときの運命描写よすぎました。でも枝垂くんもかわいくてカリヨンを鳴らせない塔一従兄さん。かーーーーっ!いいね! 「アイネクライネ」 ガラスの電球ってときめくよねえ。 「ローレライ」 私はなぜかダムに沈んだ村話が好きなのですが、こちらは川底の街のお話で好きなタイプでした。川底と川面の反転も好い。 「リリー、ランタン、ロータス」 井戸の中に螺子巻き式の万華鏡を沈めるという設定がもう大勝利ですよね。我々の好きなやつすぎる。 「もようのある卵」 最後の誘拐された少年が小瓶に詰められているのよすぎません?瓶に詰められるといえば不思議の国のアリスですが、詰められるのが少年に変わっただけでなんでこんなにヘキに来るんだ……。猿轡噛まされているのもいかんのだよな……。 「タチエガラス工房」 グラスの縁撫でてて音出す遊び小さい頃やったなあ。ベネツアグラスを高級品ではなく最高のものだというセルゲイくんよい。そういえば主人公の男の子の名前は塔一くんだったけど、前出の塔一従兄さんとはまったく別人。鳩山さんのお気に入りのお名前なのかな。 「人魚の膝」 陸に上がりたい人魚が人間の膝を盗みにくるとか最高では。あと従兄のお兄ちゃんと一緒にダブルベッドでごく自然にシエスタするのもよかったです。 「空の水夫」 あー!長いリボンで!兄の首を締める弟!これはヘキにくるぜーーー!!!甘んじて締められるお兄ちゃんもよすぎるんだよ!あーーーー!!! 「青絵の骨」 わー!亡くなったお兄ちゃんのお骨をお兄ちゃんが懇意にしていた骨董屋さんが盗みます!!あーーー!!!こちらもヘキにくるーー!「骨みたいに青ざめた色」のお皿がお兄ちゃんのお骨の代わりに骨壷に入れられていたのかな。好きすぎる……。目の下にほくろがあって、慣れた手つきで煙草吸う半ズボンの骨董屋さんとかこっちは動揺の極地です。写真一枚でもお兄ちゃんの姿が出てこないことによって、お兄ちゃんと骨董屋さんの関係が一層淫美に見えるの演出が天才です。 「歪み絵の少年」 さすがに益方先生、薫生くんと距離近いよ……。そりゃ同級生の子達も変な目で見るよ……。先生が薫生くんを描いた絵を温室に埋めて自死したのは、益方先生がその秘密の絵を隠そうとしたことでもあり、心中のつもりだったのかもしれない。 そしてまさかの巻末の解説が長野まゆみでした。飛びあがっちゃった!「少年」とはどういう存在かといういつもの話を熱く語っているので「これだよこれこれ〜!」とこちらは大喜びです。長野さんの少年論は水戸黄門の印籠みたいなものなので(?)、どこで何度読んでも「待ってました!」拍手喝采してしまいます!

Posted by ブクログ