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北の土龍(21) ヤングジャンプC
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北の土龍(21) ヤングジャンプC

石川サブロウ(著者)

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北の土龍(21) ヤングジャンプC

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 1992/03/01
JAN 9784088613345

北の土龍(21)

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2019/02/03

ふと思いついて、「北の土龍(もぐら)」(1981年-1985年/週刊ヤングジャンプ掲載)がどういうラストを迎えたのか?気になって、ネットカフェで最終巻の21巻を手に取った。(以下ネタバレあります) 81年から83年は、私の人生の中で、17年続いていた本屋での漫画週刊誌立ち読みチ...

ふと思いついて、「北の土龍(もぐら)」(1981年-1985年/週刊ヤングジャンプ掲載)がどういうラストを迎えたのか?気になって、ネットカフェで最終巻の21巻を手に取った。(以下ネタバレあります) 81年から83年は、私の人生の中で、17年続いていた本屋での漫画週刊誌立ち読みチェック体制が途切れる寸前の3年間だった。自慢じゃないけど、その最後期間は、マガジン、サンデー、チャンピオンはおろか、ヤングジャンプ、ヤングマガジン、ビッグコミック、ビッグコミックオリジナル、その他ほぼ7割ぐらいの健全青少年漫画は、全て「一応目を通して」いた。これはずっと続いていた義務のようなものであり、東京に出て編集者になる夢が潰える直後までは続いたのである。漫画雑誌の中の「私の目に適った作品」をチェックするという忙しい毎日がそこにあった。おそらくチェック作品は、週に50は下らなかったと思う。「北の土龍」は、数少ないチェック作品の一つだった。いろんな人と出会いながら、画家としての才能を磨いていくストーリーは、石川サブロウ自身の人生と重なるのか、とても説得力があったと思う。絵は特別上手くはないし、ストーリーも普通の努力・根性・友情の少年マンガの域を出なかったが、時々見せる主人公の描く「絵」の描写は、もし色が着いていたならば、ホントに凄い絵なんだろうな、と思わせる「夢」があった。主人公堂本繁(青木繁がモデルなのは明らか)のライバルとして青野という青年が登場する。やはりもう1人の青木繁である。私はしらなかったのだが、途中で青野は亡くなったようだ。その魂が乗り移ったのか、堂本繁は世界的な画家になったようだ。 最終巻は、ジャンプ得意の「絵の勝負」を展開していた。大磯漁という新人青年との勝負。世界的なオークションで、より高い最高額を出させ、負けた方が筆を折るという勝負である。大磯は200号の大作を描き、9億5千万円を叩き出す(米国画商が43万ドルで1億円という額を示したのは、いかにもこの時代85年である。今なら43万ドルは4千7百万円に過ぎない)。堂本繁は50号の風景画、しかし「安らぎと希望がある」と評価され、画商からは2億5千万円で落札される直前、掟破りの観客のコレクターから20億円という声がかかる。これで2人とも筆を折らなくて済む。最終週は、過去を振り返って大団円にしていた。 いかにもジャンプらしい終わり方だった。やはり、最後の2年間を私はチェックしていなかったこともわかった。最後は尻切れトンボではなくて、ちゃんとテーマを出して終わらしていた。堂本繁は、世界的な画家になったが、石川サブロウは、マンガのドラマ化もなく、どうなったのだろうかと私は心の片隅で心配していたのだ。 そう思うのは、もう1人のマンガ家の存在があるからだ。それは、村上もとかである。「北のー」と全く同時期、私がチェックしていたのは「六三四の剣」(1981年-1985年/週刊少年サンデー掲載)だった。実は、石川は村上を一方的にライバル視していたと何処かに書いていた。というのも、デビューもほぼ同じで、しかも村上はジャンプ出身だった。画力は、当時から抜きん出ていて、私は「ドロ・ファイター」で発見し、石川には悪いが、当時は村上の作品は全てコミックスで集めていた。青野のモデルは、石川本人も言っているが村上もとかである。「六三四の剣」はアニメ化され、「仁-JIN-」もテレビドラマ化されたのはご承知のとおり。その他「岳人列伝」や「龍」など村上は漫画作品としても傑作を次々と生み出した。結果的に、ライバル視していた石川と村上との差は埋められなかったかもしれない。 しかし、私はウィキで調べると、石川サブロウが今日まで途切れることなく作品を描き続けているのを確認した(小説「神様のカルテ」漫画化など)。それはそれで凄いことだと思う。 「僕の負けです」と告げる大磯漁に対して、堂本繁は言うのだ。 「君は負けていないよ!」 「え」 「金なんかで勝負はつかないよ。本当の勝負は、これからのふたりの生き方さ」 私は、(34年後に)このラストが読めて、ホントに良かった。

Posted by ブクログ

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