刺星

中野シズカ(著者)

• 販売会社／発売会社: 青林工藝舎
• 発売年月日: 2004/06/01
• JAN: 9784883791606

商品レビュー

2024/11/03

なんとなく気づいていたんですが、中野作品煙草吸う男子割と出てきますね？？？ありがとうございますありがとうございます！！しかも友達同士で仲良く吸ってくれたりしちゃうんでもう大変有り難いです。その男子同士の喫煙描写で救われた命がここにあります！！！

「The catcher in the chocolate」
ライ麦畑でつかまえてのオマージュ。ライ麦からチョコレート歯医者さんへの飛躍がすごい。かわいいお話。

「モノノケ」
あああーーー！男子ふたりで浴衣着て煙草吸ってぶらぶらするのはいけませんよ！？！？しかも玉のスイカをネットに入れて持ち手を片方ずつ持っているのがかわいいすぎて三度見しました。かわいい！！！人魂で煙草の火をつけるのはゲ謎でも見たぞ。お約束なのかな。物怪に取り憑かれて友達を殺めちゃって絶望したり、斬新なディープキスしたりはぁはぁ言いながら読んじゃった。取り憑かれご用心。

「ワオンアパート」
音階たちが暮らすアパートの音階(人間)模様。という設定はめちゃんこかわいいのに結構音階関係乱れています。ソドミさん(全員男子)の三人プレーは興奮したし、モテ男のドさんが出て行ったラさん(男子)を追いかけていくのは熱い。

「香雨小僧」
まずですね。梅の木のある日本家屋に在住の着流の作家先生はいけません。いけませんよ……！桃の香りのする小人さんのお召し物を剥い剥いして匂いを嗅いだり、小人さんが怯えるほど甘い匂いがして噛みたくなっちゃうとか、昨今のびーえるじゃないですか。ありがとうございました。小人は本当にお手伝いのMくんだったのか。梅酒が出来上がる頃の先生とMくんが気になってしょうがないですね！

「エトワール」
特別なハンマーで人を殴ると星が手に入る。そんな美しい星を求めて夜な夜な人を殴るちょっといっちゃっている先生と、一晩だけの相棒をする男の子。美しい星を求める先生の理想の星は灯台下暗しでした。

「Three Little Aurora Boys」
うふふかわいかった。友達に自分以外の仲良しができるのちょっといやで、つい意地悪しちゃったりするよね。

「面子」
いやこわ！ひっくり返るお展開がとても面白い。これはネタバレ抜きで読んでほしい。

「刺星」
最高でした。もう本当に最高でした。私は谷崎の「刺青」で彫り師の清吉が男の肌に刺青いれている描写に異様に興奮せしめし者なので、男の彫り師が男の肌に刺青入れているのが本当によかったです。中々ないんですよねー男の彫り師が男の肌に刺青入れるお話。あったら教えてほしいです。しかもまた刺青を入れきれず、死んだ男の肌に続きを彫り込んでいくのもまた仄暗くていい。しかしなんですあの彫り師のお兄さんの悪そうなこと！人の家の腰窓に座って煙草吸ったり、喪服で現れたり、歩き煙草したりこっちの情緒は滅茶苦茶です。挙句、最後に梓朗くんにひざまづいているの何？こちらに止めを刺しにきているんですか？本望です。

「シナモン」
いやーん。校舎裏で煙草吸っている女の子と思いきやシナモン吸っているのかわいい。導入の勝利。

いやもう好きが詰まった作品集でした。何回も読み直したいな。

2021/09/10

トーンの使われ方が凄まじく、画面が完璧に作り込まれていて、話ごとにそれぞれの世界に引き込まれる。可愛らしかったり、恐ろしかったりするもの。表題作は、主人公の少年が恐れている兄が連れてきた、風変わりな友人に出会って、存在の感覚が逆転する話。

2011/11/23

中学生の頃塾さぼってヴィレッジヴァンガードでアックスたちよみしてた（サブカル的なものへの目覚め）
お小遣い月3000円だったから「高いなあ」て思いながら買ったな
友達にも勧めたんだけど誰もいいねって言ってくれなくて、でもそれが、又良かった。