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今のラヴ要素を培った苦心の作品群が見られる
作者の2冊目となる単行本だが、いわゆる「成年コミック」の黄色いマークは付いていない。そのために「消し」がしっかり施された全10編である。なので局部が描かれていないとNGな諸兄には Cuvie 作品と言えどもお薦めできないが、各話のストーリーは実に良く出来ていると思う。少女向けの作...
作者の2冊目となる単行本だが、いわゆる「成年コミック」の黄色いマークは付いていない。そのために「消し」がしっかり施された全10編である。なので局部が描かれていないとNGな諸兄には Cuvie 作品と言えどもお薦めできないが、各話のストーリーは実に良く出来ていると思う。少女向けの作品(『PINKY-TEENS アンソロジー』収録作)が5編あるが(これを少女が読むなんて「お父さん許しませんよ!」という感じがしないでもない……自分を棚に上げていることはさておき)、これが男のツンデレがあったりして(男が読んでも)悪くない。確かにややソフトかもしれないが、伝わらない想いにヒロインや主人公が悶々としながらも、最後にそれがようやく伝わる展開がよく描けていると思う。比べて男向けの作品は主人公視点で描かれ、時には慈悲の足りない結末だったりするが、【不毛かくありなん】や【So Happy】では可愛らしくて健気なヒロインが出てきてキュンとさせられたりもする。今から見れば冗談のようだが、あとがきによると当時の作者はラヴラヴの甘々な話ばかり描くのが辛かったらしい。現在の上質なラヴストーリーを見るに、この頃の苦労が現在の糧になったのかもしれない。そうした背景も併せて読むと、本作の趣もまた変わってくるのではなかろうか。
DSK