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水木しげるのラバウル戦記
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 1994/07/01 |
JAN | 9784480872456 |
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水木しげるのラバウル戦記
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水木しげるのラバウル戦記
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商品レビュー
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6件のお客様レビュー
水木しげるの戦争体験記。緊迫した場面、内容ではあるものの文体に作者の楽観的な正確からか、終始穏やかな雰囲気で書かれている。マラリアや、土人との関り合いや、上官が一瞬で死んでしまう様などが飄々と書かれていることが逆に狂気感をまして感じられる。中でもラバウルに出て行く前夜、両親と食事...
水木しげるの戦争体験記。緊迫した場面、内容ではあるものの文体に作者の楽観的な正確からか、終始穏やかな雰囲気で書かれている。マラリアや、土人との関り合いや、上官が一瞬で死んでしまう様などが飄々と書かれていることが逆に狂気感をまして感じられる。中でもラバウルに出て行く前夜、両親と食事を撮ったエピソード、食事が終わる時、両親はなぜかトイレからでてこなくなり、そのまま出発の時間を迎えるという親心ゆえの別れ方が一番ぐっとくる。 ゲゲゲ以外の作者の本をもっと読みたい。
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水木しげるさんがラバウル戦で体験したエピソードが挿絵とともに書かれている。 軍の厳しい上下関係、飢え、爆撃による仲間達の死、水木氏が腕を失うことになった日の出来事、死と隣り合わせの毎日…そして終戦。 全体に重苦しい内容ではあるが、現地の人と交流し、人々に愛される水木氏の明るさと生...
水木しげるさんがラバウル戦で体験したエピソードが挿絵とともに書かれている。 軍の厳しい上下関係、飢え、爆撃による仲間達の死、水木氏が腕を失うことになった日の出来事、死と隣り合わせの毎日…そして終戦。 全体に重苦しい内容ではあるが、現地の人と交流し、人々に愛される水木氏の明るさと生命力の強さに感服した。
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漫画家・水木しげるの従軍記録である。 ラバウルはパプア・ニューギニア領ニューブリテン島の都市で、第二次大戦時には日本軍の占領下にあった。著者はこの地に送られた最後の初年兵となった。 本書は、おおまかには3部構成となっている。 第一部は内地からラバウルに渡り、総攻撃を受ける直前ま...
漫画家・水木しげるの従軍記録である。 ラバウルはパプア・ニューギニア領ニューブリテン島の都市で、第二次大戦時には日本軍の占領下にあった。著者はこの地に送られた最後の初年兵となった。 本書は、おおまかには3部構成となっている。 第一部は内地からラバウルに渡り、総攻撃を受ける直前まで。第二部は敵の攻撃を受けたが生き残り、ジャングルを逃げ惑った後、再び隊に合流し、終戦を迎えるまで。第三部は終戦後、捕虜として過ごし、内地に帰るまで。 第一部は昭和24~26年、美術学校に通いながら、当時を思い出して描いたもので、上半分が絵、下半分に著者の語りが添えられている。発表するあてもなく描いたものだという。前半は鉛筆の線描、後半は鉛筆画と水彩画である。全般に紙芝居を思わせる場面展開である。 ここでは、一兵卒の眼から見た、戦闘状態でない軍隊の生活が描き出される。著者のあっけらかんとした性格と、南国のエキゾチックな風俗が加味されて、一風変わった視点の、しかし非常に現実味のある記録となっている。 書き始められた戦記は、生活上の理由から、中途で終わっていた。第二部は、後年(昭和60年)、『娘に語るお父さんの戦記・絵本版』(河出書房新社)のために描かれたものだという。一見して、「水木しげる」とわかる絵である。点描で描きこまれ、ジャングルなど息詰まる妖しさに満ちている。 第三部は終戦後、捕虜となって過ごしたラバウル近くのトーマという地で描かれたもの。物資の乏しい時期であったが、運良く紙と鉛筆・クレヨンを手に入れ、現地の風景や人々の生活の有様、仲間の兵隊などを描いている。 全体に、「戦記」と聞いて思い浮かべるような残虐で苛烈な描写はほとんどない。 もちろん、戦地であるので、食べ物が不足したり、古兵が横暴であったり、直接的ではないものの従軍慰安婦の描写もある。同じ隊の多くの人が亡くなってもいる。 しかしそうした中で、著者は、この先どうなると思い悩む様子があまりない。食欲旺盛であれこれと珍しい食べ物を食べ、「土人」(著者はこの言葉に侮蔑を含めてはおらず、むしろ「土とともに生きる人」という意味で敬意を込めて使っている)にも好かれ、全般に無頓着である。大柄でもある著者は、戦地には似合わないほど暢気で目立ったということか、古兵にはやたらとビンタを食らっているのであるが。 ある意味、軍隊の「常識」に染まらない強靱さ・無頓着さがあればこそ、片腕を失っても、マラリアに罹っても、生還できたのかもしれない。並外れた生命力を感じさせる。 ラバウルに渡った理由が戦争でなければ、水木青年はこの地に住みつき、「土人」と同化して、案外と楽しく暮らしたのかもしれない。それはそれで幸せなことであったかもしれない。 著者は再会を約して「土人」と別れ、約束の時よりは遅れたものの、本当に再訪を果たしている。深いところでの心のつながりがそこにはあったのだろう。 *第一部後半の鉛筆画が印象的。絵がうまい人というのは、ラフに描いた感じのものであっても詩的であったり雰囲気があったり、描写力に圧倒される。 *同著者の戦闘自体を描いた一連の作品もまた、読むべきなのだろうと思ってはいる。こちらはまた改めて。
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