不安の種(1) ACWチャンピオン

中山昌亮(著者)

• 販売会社／発売会社: 秋田書店
• 発売年月日: 2004/06/24
• JAN: 9784253104869

商品レビュー

2025/01/05

『不安の種』は、一般的なホラー作品とは一線を画す特徴を持っています。
この作品の恐怖は、「説明のできない状況」に放り込まれた人々の不条理な体験として描かれます。例えば、突然すべての人が自分に背を向け始める、どこまで歩いても同じ場所をループする、見知らぬ他人から「私の赤ちゃんを返して」と詰め寄られるといった状況です。これらの状況には明確な理由も解決法も示されず、登場人物たちはただその状況に翻弄されるしかありません。
特徴的なのは、これらの恐怖が現代的な不安と地続きになっている点です：

・他者からの孤立
・努力が報われない閉塞感
・理不尽な責任を押しつけられる状況
・システムからの疎外
・匿名の暴力

作品の構造自体も不安を増幅させます。各エピソードは短編でありながら、時に別の話とつながっていたり、登場人物が再び現れたりする。この「つながりがあるかもしれない」という不確かさこそが、読者の不安を増幅させる効果を持っています。
重要なのは、この作品が従来のホラーのように「説明」や「解決」を提示しないことです。むしろ理不尽な状況がそのまま放置され、それによって現代社会における「説明のつかない不安」がより鮮明に浮かび上がってくる。この「答えのない恐怖」という手法は、現代人の実存的な不安をより直接的に表現することに成功しています。

2018/06/22

生ぬるい風、落下する不快感、背中に刺さる冷たい視線…。闇の種が発芽する時、非日常のモノ共が出現する！！（Amazon紹介より）

2014/10/30

身近にありそうな恐怖！本当に夜眠れなくなるかも？

Ｌ版サイズの短編漫画。

ホラー漫画としては背筋にゾクゾクっとくるタイプの怖さ！

風呂で髪を洗ってる時、夜人気のない道を一人で歩いている時。そんな誰もが経過せざるを得ない日常。ふと想像してしまうような恐怖。
身近に起こりそうな怖さ。
見事に表現されてます。なんなら、私達がする想像よりも一つも二つも上をいく、そんな恐怖が盛り込まれています。
　画力がその恐怖を倍増させているとも思います。
漫画がそんなに怖いわけない？
いいえ、怖いです。

　ホラーものが大好物な私、この本を見つけた時には久しぶりの良作についつい全巻まとめ買いをしてしまいました。

漫画だからとあなどるなかれ！です。

不安の種＋という秋田書店の小版コミックもあります。そちらもオススメ！